サッカー日本代表の森保一監督(57)は、6月に開幕する北中米W杯で優勝を目標にすると公言。多くのファンが知るところだろう。新年インタビュー後編では2022年のカタールW杯でも同じゴールを目指していたと明かし、そこに至った原点にも言及した。

 いまやW杯優勝を目指していく姿勢は森保ジャパンの共通認識となっているが、森保監督はカタールW杯のときにはどう考えていたかには迷いなくこう答えた。

「実は同じだった。2戦目にターンオーバーしていたのも(決勝までの)7試合見据えた中で選手を替えていくのを実践していた。定石では2試合勝って勝ち点をちゃんと持った上で3試合目に選手変えることもある。何が正解か分からないが、メンタル的、フィジカル的にフレッシュなところでうまく戦っていければ、勝つ確率は上がると思う」

 カタールW杯1次リーグ。ドイツとの初戦に大金星を挙げて迎えた第2戦コスタリカ戦は、メンバーを大幅変更して敗れただけに、批判的な声も上がったが、ぶれない信念で先を見据えていたわけだ。

 4年前も優勝を目指した理由に関しては「自信がないにしても目指すべきだろうと。戦うからには負けるつもりで戦うことは一度もない。その延長がW杯も勝つということ。もちろん相手を圧倒して勝てる力があるかというと、そうではない。もっと力をつけないといけないが、やってやれないことはないんじゃないかなという思い」と力説した。

 さらに自身の現役時代に体験したことを踏まえて「自分の経験の中でも代表初出場(1992年5月)のときにアルゼンチンと対戦した。そのとき、アルゼンチンはコパ(南米選手権)で勝ってきて、そのメンバーがほぼ東京に来てくれた。雲の上の人たちと思っていたけど、試合の中で戦うと、親善試合だし、彼らがどれだけ100%出していたかわからないが、やれるんじゃないかと思えた自分がいた。それを常に持っている」と振り返った。

 自身の基準だけでなく、現在の代表主力が身を置く環境も世界との距離を近づけていると感じている。「今の選手たちは国際経験豊富だし、どこと戦っても普段リーグ戦でやっている選手がいたりする。彼はすごいけど、でもこういう弱点もあるよなっていうことも知っている。自分たちの強みを生かしていけば、どこか勝てるような、そういう気持ちに選手からもさせてもらっている」

 日本代表が進化を続けていく先にたどり着く理想の戦い方には「自分自身も強ければ、アジア仕様とか世界仕様とか必要ない。例えば、W杯で優勝したアルゼンチンが、南米と戦うとき、欧州と戦うときと、アジアと戦うとき、戦い方変えるかといったら、そうではない。目指すとこはそこかなとは思っている」。その一方で「アジアと世界の強豪とは、やっぱり戦い方は変わってくる。いろいろな対応力の中で勝っていけるのが日本代表の力」とも語る。

 絶対的な力をつけた上で臨機応変に戦っていくことができれば理想。そういう意味では、日本代表はまだ発展途上と言えるが、6月からの戦いで優勝を目指す目標にぶれはない。

 25年12月に組み合わせ抽選で渡米した際、決勝が行われるニューヨーク近郊のスタジアムに立ち寄って帰国した。森保監督は「決勝の舞台を見たいなと思って行った。まだアメフト仕様でしたけど」。名将の頭には世界へサプライズを届けるシナリオがあるのかもしれない。