日本代表FW前田大然(28=セルティック)が、2026年北中米W杯メンバー争いで厳しい戦いを強いられている。22年カタールW杯は1トップの主戦として〝鬼プレス〟でドイツとスペイン撃破に大きく貢献したが、来年の大舞台へ向けて序列は下降傾向。その中で、元日本代表MF前園真聖氏(52=本紙評論家)が前田の重要性を訴えた。

 いまや日本代表の1トップはFW上田綺世(フェイエノールト)が絶対的存在となり、FW小川航基(NECナイメヘン)らも台頭するなど最前線における前田の存在感は希薄化。そのため代表では昨年あたりから左ウイングバック(WB)も担うようになり、複数ポジションをこなすことで生き残りを図ろうとしている。

 しかし、左WBには左シャドーでも起用可能なMF三笘薫(ブライトン)やMF中村敬斗(スタッド・ランス)といったエース格が控えており、2人が万全なら出番が回ってくるとは限らない。しかも、経験の浅いポジションからかWBで目立った活躍はできず、評価は伸び悩んでいる。ようやく11月のボリビア戦で明るい兆しが見えたくらいだ。

 本人は11月の活動中、アピール不足に終わった9月の米国遠征、負傷で途中離脱した10月の活動を踏まえ「どうしてもこのシリーズに来たかった。自分のプレー、自分の良さを出していかないといけない」と危機感をにじませていた。

 今後は所属クラブでアピール不足となれば、本番の落選がないとは言い切れない。それでも前園氏は「前回(カタールW杯)は、スタメンで出て前からチェイシングをして後半に(味方が)点を取る形なので先発でしたけど、今は最初から主導権を握るサッカーを目指していますし、途中から出るのが役割になってくるでしょう。後半から入ってくる彼のスピードは相手にとって脅威です」と指摘した。

 森保ジャパンの戦術変化によって〝先発向きのタイプ〟とみなされなくなっただけで、必要な選手であることに変わりはない。前園氏が「彼ほどのスピードがある選手は代表にいません。攻守にわたって重要になってきます」と強調するように、日本が誇るスピードスターは代えのきかない一人という見解だ。

 カタールW杯は森保一監督が選択した三笘のジョーカー起用がはまったが、今度は前田が切り札となることもあり得る。前田は来年のW杯へ向けてFWとWB起用をにらんで準備を進めていく中、快足を飛ばして再びピッチ内をかき乱すのか。