恒星間天体「3I/ATLAS」(以下アトラス)が12月19日、地球に最接近した。アトラスは特に何をするでもなく、スルーしていった。以前からアトラスを「宇宙人の宇宙船だ」と主張してきたハーバード大学の理論物理学者で宇宙学者アヴィ・ローブ教授は「宇宙人にとって地球は重要ではなかったのです」と言い訳した。英紙デーリー・スターが20日、報じた。

 アトラスは7月1日にチリのコキンボ州で観測を行っていた小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS)によって発見された。恒星間天体(インターステラー・オブジェクト)としては、2017年の「オウムアムア(1I/Oumuamua)」、2019年の「ボリソフ(2I/Borisov)」に続いて観測史上3例目のため、3I/ATLASと名付けられた。

 数十億年にわたる深宇宙の壮大な旅を経たアトラスが19日、待ち望まれていた地球への最接近を果たしたが、接触を試みることも侵略を始めることもなく、何事もなく通過した。「これは、この天体を〝送り出した〟とされる宇宙人が、われわれ人類にまったく興味を示していない証拠です」と主張するのは、ローブ教授だ。

 ローブ氏は、アトラスが宇宙船であるという確信を崩していない。そこで20日、ブログサービス「ミディアム」に「この天体は、われわれのことなど気にも留めていない宇宙人が送ったものです。一般には、訪問者がわれわれの宇宙近傍に現れるのは、地球に関心があるからだと考えられています。しかし、考えてみてください。もしパーティーに遅れて到着し、部屋の中心にいないのなら、そのパーティーはあなたのためのものではないのです」と記した。

 ローブ氏にとって、アトラスはNASAが言うところの〝単なる彗星〟ではない。アトラスはスラスターを使用している兆候を示すなど、数々の奇妙な特徴を有しているのだ。

 しかし、ローブ氏によれば、数十億年前に宇宙人がこの探査機を打ち上げた時点では、地球に接近する軌道を意図的に設定する理由はなかったという。

「最近私たちは、銀河系という〝宇宙の通り〟には、地球のような家が約100億軒も存在し、その多くは地球・太陽系より数十億年も前に形成されたことを知りました。われわれは宇宙の中心ではないだけでなく、恒星間訪問者の関心の中心でもないのです」

 ローブ氏は、2026年3月16日にアトラスが木星へ最接近するまでに、画像観測や分光データによって、謎めいた性質が解明されることを期待している。