【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#552】影のような正体不明の存在といえば、「シャドーピープル」あるいは「シャドーマン」と呼ばれる存在を以前、UMA図鑑で紹介した(#48)。現代妖怪あるいは怪人系UMAとして、近年、米国を中心に話題を集めている存在であり、その姿はこれまで多くの映像や写真などにおさめられている。正体については異次元人、エネルギー生命体、はたまた幽霊などとさまざまな仮説が唱えられているが正体は謎のままだ。

 最近になり、このシャドーピープルのような影の存在の目撃がネットで発信され話題になった。

 2023年11月、米アリゾナ州に住む10代の姉妹によって、奇妙な映像が動画サイトにアップされた。姉妹の証言によると、2年前にオハイオ州から引っ越してきて以来、自宅の敷地周辺で「影のような謎の人物」を目撃していたというのだ。ある日、2人が動画撮影をしながら近所を散歩していると、近くのトレーラーに人型で黒くぼんやりとした影が動画に映り込んでいたのだ。改めてピントを合わせようとするが、すでにその影の存在は姿を消していたという。

 姉妹によれば、その存在はよく足早に自分たちのそばを通り過ぎたり、曲がり角からのぞいていたり、視界の端に現れ、こちらへ迫ってきたりするものの、次の瞬間にはどこにもいないのだという。現在までに、特に目立った危害を与えられたことはないそうだが、彼女たち以外の地域住民による目撃は報告されていない。撮影された動画は瞬く間に広がり「シャドー・エンティティ(影なる実在)」と呼ばれている。

 米国のとある姉妹を脅かしているシャドー・エンティティであるが、なんと年が明けた2024年1月にインドでも目撃されているのだ。

 新年になって間もないある日、ケンプン・ケピスという集落で起こった。住人であるハスリンダ・ハシムが、午後9時40分ごろに「家の外で何かが落ちた音」を聞いて外を確認したところ、地面を這う謎の影のような存在を目撃したというのだ。直後に影は走り去って行ったそうだが、それ以後彼女の自宅は4度荒らされ、その際には壁を引っかくような音もしていたという。

 恐ろしいことに、彼女と同様のケースは集落の他の家でも起こっており「カーテン越しに人影のような何かがいたのを見た」「こちらにむかって走ってくるような足音を聞いた」といった報告があったにもかかわらず、誰一人としてその正体を特定できずにいた。この不気味な事態は、1週間以上にわたって発生し続けたために住民たちを恐怖に陥れ、当局に対しても早急な解決が要求されたが今も解明には至っていないようだ。

 米国とインドの出来事が同種の存在によるものであるかは分からないが、いずれも共通しているのは、特定の対象を執拗に狙うという点であろうか。自分の存在に気付いた相手を付け狙う性質がシャドー・エンティティにはあるのかもしれない。

 漫画「ドラえもん」では、自分の影を切り離して仕事の代役をさせることができる「影切りばさみ」という秘密道具が存在するが、切り離したままにしてしまうと影がどんどん知恵を持ち始め、2時間を超えると本人と入れ替わってしまうのだ。シャドー・エンティティの目的は、狙った相手との入れ替わりだったのだろうか。謎の影との遭遇には十分用心していただきたい。