台湾有事に関する11月7日の高市早苗首相の国会答弁を巡って日中間対立が激化している。
答弁以降、中国では、浜崎あゆみら日本人アーティストの公演を中止したり、日本映画上映を中止したり、日本のエンタメを排除してきた。中国の一部報道はこの日本のエンタメ締め出しを〝限日令〟と報じている。そんな中、中国は、9年続けてきた韓国エンタメ締め出しの〝限韓令〟を緩和する動きを見せているという。
香港紙・星島日報は17日、「韓国芸能界の四大事務所がK―POP公演の開催打診を受ける 9年続いた『限韓令』緩和に期待」と報じた。
韓国の李在明大統領が今年6月に就任して以降、中韓関係は改善の兆しを見せ、10月には習近平国家主席が国賓として韓国を訪問した。
文化的交流復活への動きなのか、韓国の四大芸能マネジメント会社HYBE、SMエンターテインメント、JYPエンターテインメント、YGエンターテインメントが、来月中国でK―POPコンサートを開催する可能性について打診を受けたという。これを複数の韓国メディアが報じ、韓国エンタメ界、中国人ファンの間で、中国の限韓令緩和への期待が高まっている。
そもそも限韓令は、2016年に韓国が米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の配備を決定したことへの報復から始まった。韓国は17年に実際に配備した。
軍事事情通は「THAADに付随したXバンドレーダーは1000キロ先まで届く。発射されたミサイルの弾頭が、核か通常弾頭かまで瞬時に識別する能力を持っています。これが韓国の米軍基地に配備されれば、中国は丸裸になったも同然なので、かなりの怒りでした。さらに北朝鮮やロシアも激怒しました」と指摘する。
その中国の怒りが9年も続いているわけだ。
中国事情通は「限韓令により、14億人を誇る最大の海外市場だった中国での韓流ドラマ・映画、K―POPという韓国エンタメの放送、配信、公演がほぼ全面停止しました」と語る。
K―POPのBTSやドラマ「イカゲーム」の成功が象徴するように、東南アジア、中東、欧米など、中国に依存しないビジネスモデルを確立するまで、韓国エンタメ界は大打撃を受けた。
今になって、中国側からの緩和の流れが見えてきたのは明らかに日中関係の緊張によるものだろう。
「中国としては、中国が孤立し、日米韓が緊密になり中国包囲網を敷くことを恐れています。そこにクサビを打ち込む陽動作戦的な動きでしょう。そもそも限韓令は、公式文書も法律もない非公式の措置です。これは逆に言えば、いつでも強化できるし、いつでも緩和シグナルを出せるという〝外交カード〟でもあります。また、中国国民にとっても韓国エンタメ不足の上、日本エンタメまでなくなったら、不満の矛先は中国政府に向かうので、それも避けたいところでしょう。韓国への怒りが収まったわけではないので、すんなり緩和というより、様子見でしょう」と中国事情通は指摘している。
当分の間、日本のエンタメ界への影響は避けられそうにない。












