オッズは優位でも心は番狂わせだ。

 WBA世界バンタム級王者・堤聖也(29=角海老宝石)が3日、都内で同級暫定王者ノニト・ドネア(43=フィリピン)との団体内王座統一戦(17日、両国国技館)へ向けた公開練習を行った。小差での勝利をイメージする堤は、優位に立っているが「深く見ていけば、そうじゃないよと思う」と気持ちを引き締めた。

 相手は43歳の高齢とはいえ、恐怖の左フックを武器に5階級を制覇したビッグネーム。「向こうは嫌だ嫌だと思いながら、気づいたら僕がなんだかんだポイントを持って行っている。大差になるイメージはない」と接戦での勝利を想定する。

 ブックメーカー大手の英ウィリアムヒル社のオッズは、堤勝利が1・36倍、ドネア勝利が3・1倍となっているが、この王座を奪取した2024年10月の井上拓真(大橋)戦など何度も下馬評を覆してきた堤は、数字を額面通りに受け止めてはいない。

 ドネアは6月の前戦で自身が両目上から出血しての9回負傷判定という不完全燃焼で王座を獲得しており、堤は「最新のパフォーマンスを軸に、その物差しで測るから僕が有利に見えている」と推測。先月のWBC同級王座決定戦でもオッズで不利だった拓真が那須川天心(帝拳)に勝利しており、「それこそ一番いい例だと思う。真の部分まで深く見ていけば、そうじゃないよと思う。僕は直接戦う側なので、深くまで掘って掘って対策して臨んでいる」と力説した。

 また、日本の強豪がひしめくバンタム級には、5階級制覇を目指して井岡一翔(志成)が転級し、大みそかに堤が保持するWBA王座の挑戦者決定戦を行うことが決まった。だが、井岡は勝った場合は拓真との対戦を希望。堤は「悔しい部分はもちろんあります」と話しながらも、「客観的に見てボクサーの完成度は拓真の方が上」と納得していた。

 ビッグネームを倒して評価を覆すか。