「現代用語の基礎知識選『2025T&D保険グループ新語・流行語大賞』」の発表・表彰式が1日、都内で行われた。年間大賞は「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」が受賞。ほかにもトップテン(10)には「トランプ関税」や「オールドメディア」など政治的・社会的な言葉が多くランクインした。一方、世間を騒がせたあの市長の関連ワードは落選。選考委員が振り返った。

 高市早苗首相が総裁選に勝利した直後に発した「働いて――」は「馬車馬」「ワークライフバランスという言葉を捨てます」のインパクトもあり物議を醸した。

 会場であいさつした高市氏は「この言葉は自民党の総裁選挙で勝利した日に言った言葉。なんとしても自分も働いて、国民の皆さまのために貢献したいという言葉でございました」と振り返って、にっこり。

 首相の関連ワードが年間大賞になるのは2009年の「政権交代」以来だという。ほかにも今回は政治用語がトップテンに数多く選ばれている。

 同賞の選考委員を長年務める漫画家のやくみつる氏に聞くと「今年の後半それだけ政治が動いた。その状況に(賞が)引っ張られるのは当然っちゃ当然」と話した。言葉のジャンルにかかわらず「世代の分断化が何かと著しいが、メッセージ性も考えて、出てきた言葉を素直に受けてという感じです。聞いたことないぞだけで終わらせないで、興味を持つきっかけになれば」と語った。

 2025年は高市氏を筆頭に、女性政治家が注目を浴びる年でもあった。静岡県伊東市の田久保真紀前市長の「卒業証書19・2秒」は、トップテンには入らなかったが、同賞のノミネート30語に選出された。やく氏はこの言葉を「やっぱり強い言葉。自分の中ではトップテンの候補だった」と激推し。

「初めて見た時(陸上競技選手の)ウサイン・ボルトの200メートルの記録に近いと思った。調べたらボルトは19・19秒だった。わずかに田久保真紀の負け。その事実にすぐ気が付きました」とニヤリ。しかし「合議の上、そこまで票が伸びなかった。(田久保氏は)市長選に出馬しているし、結果的に選んでなくて正解だった」と語った。

「政治家としてはお話にならない」とバッサリだが、これを漫画の〝新ネタ〟に昇華したようで「伊東市のお土産って干物がひたすら有名だけど、新しいお菓子ができる。それを新たな名物にしてはどうかという漫画を描いています」と話す。その〝銘菓〟とは「田久保真紀の鋼のハートをイメージしたとにかく超堅焼きのおせんべい。糸唐辛子をトッピングして、心臓に毛が生えているイメージ」と、近々発表予定という漫画について明かした。

 来年も女性政治家の言葉に注目か。やく氏は「このまま行くと『日中冷戦』という言葉になる。どこに落としどころを見つけるのか分からないけど。それはまずいんじゃないのという気はします。高市さんがそこをどう乗り切るか」と、高市氏の存立危機事態をめぐる発言から、新たな言葉が生まれるかもしれないとした。