アスリートの体調を唾液で把握できる技術が登場しているが、基盤となるのが唾液によって迅速、簡単に免疫測定ができる新技術だ。この技術を活用したヘルスケアについて開発メーカーに聞いた。
【通院患者を院内のその場で検査】
体調不良で病院に行くと、免疫検査をされるものだ。免疫検査は、血液や尿に含まれる、たんぱく質、脂質、電解質、糖質、ホルモン、腫瘍マーカーなどを測定・分析することによって病気にかかっているか、病状はどうかの診断に使われる。
ただ、免疫検査の結果は、その場で出ることはほとんどない。検査の多くは病院外の検査専門機関に外注されるので、結果が出るのはたいてい数日後。次回に検査結果を聞くために、また病院に行かねばならないのが普通だ。感染症や心臓疾患、循環器系疾患など緊急性の高い病気だと、結果が出た頃には症状が悪化しているかもしれない。
だが次第にその場で迅速に検査できる技術が進展するようになってきている。例えば血糖値なども短時間で結果が出るようになった。糖尿病の患者さんは血糖値を検査することが必須だが、かつては病院に行かなければ測れなかった。その血糖値が、血糖センサーの開発によって現在では家庭でも測れる血糖値測定器が利用されるようになっている。
そうした「その場で迅速検査」を進展させたのが、バイオベンチャーのイムノセンス(大阪府吹田市)が開発した「GLEIA(グライア)」だ。GLEIAとは、金結合電気化学免疫測定法という新しい免疫測定法であり、現大阪大学産業科学研究所・民谷栄一特任教授によって開発された。
【GLEIA技術の将来像】
「免疫反応と電気化学技術を組み合わせることで、手のひらサイズの超小型機器で体内の様々なバイオマーカーを検出できます。装置の構成はシンプルですが、その感度は1兆分の1グラムと大型検査機並みの性能を実現しています」とGLEIAの特色を説明するのは開発したイムノセンスの杉原宏和社長だ。
免疫検査をGLEIAで行う際は、使い捨てのセンサーに血液や唾液などの検体を滴下し、小型専用測定器GLEIAリーダーにセンサーを差し込むと10分ほどで測定結果がアプリ画面に表示される。
小型専用測定器GLEIAリーダーには医家向けと個人向けの2製品がある。医家向け測定器は縦横12・4センチ、質量180グラムで手のひらサイズ。写真に示した個人向け測定器は縦横3センチ、長さ6センチ、質量44グラムのコンパクトサイズである。
販売価格は未定だが、医家向けで30万円を切る価格、また個人向けは2万円程度を想定している。
同社はGLEIAによって、いつでも・だれでも・どこでも医療グレードの迅速検査ができることを目指しており、例えば「脳や心臓、血管などの病気予防のために家庭計測して不調を見える化するなど、ヘルスケアにも利用していただけます」(杉原社長)としている。












