一般的に暗いといわれる東北人ですが、岩手県人も、たしかに寡黙で真面目、おとなしく目立たない傾向があります。

 しかし、それは努力家で、倫理観がある県民性ともいえます。当人にとっては、内側に心を向けて思索にふけっている場合もあるわけです。

 その思索の内容は一人ひとり違っています。ある人は夜空に思いをはせて宇宙を散歩し、ある人は厳しい現実を一編の詩に込めて、ひそやかに一人で口ずさんでいたり…。そんなロマンチストが岩手県人なのです。

 岩手県人の弱点は、やや排他的な性格にあります。部外者は寄せつけないというか、他者に対する警戒心が強く、どうしても仲良し同士で固まってしまい、その仲間意識ばかりが先行しがちなのです。

 ただし、県南はかつては伊達藩の一部だったので、人柄も積極的、商人的で、見えっ張りなところがあるなど、旧南部藩の北部と旧伊達藩の南部で、県民性は大きく異なります。

 北の岩手県人は絵に描いたような東北人タイプで、何ごとにも黙々と地道な努力を続ける人が多く、多少の困難に音を上げたり、ギブアップすることはありません。自己アピールは苦手ですが、粘り強さが身上ですから、人に対してもとことん尽くします。

 一方の南の岩手県人は、宮城県人に通ずる洒脱でプライドの高いところがあります。とはいえ、自分のほうから積極的に話しかけたり、アタックするタイプではなく、気心が知れるまでには、ある程度の時間がかかると思ったほうがいいでしょう。

 総じて岩手県人は不言実行型ですから、長く付き合ううちに、意外に頼りがいのある面を見せてくれるでしょう。