京都人はよく閉鎖的だといわれます。それは長年にわたって築き上げられてきた伝統や習慣が、京都以外の人にはなじみがないからかもしれません。何年か住んだからといって、千数百年の歴史を持つ京都では、通りすがりの人くらいの扱いしかされないわけです。

 プライドの高い京都人は、他人に干渉されるのを極端に嫌います。そして、他人のことには無関心です。京都人が冷たいと思われるのは、そんなクールな面が見えるからだと思われます。

 干渉されずに、自由にやりたいことを貫き通したいという頑固さとプライドの高さは、他県人には見られないものかもしれません。

 京都人の言葉は温和で優しい響きを持っていますが、本来は、かなり辛辣なことを言っている場合があるようです。

 京都人と付き合ってみたいという人は、男女を問わず多いと思いますが、その理由は、あのおっとりした京言葉にあるようです。特に“京女”の話し方がたまらないという男性の声をよく聞きます。

 さて、実際に付き合ってみると、京言葉のつかみどころがない受け答えに戸惑うはずです。何事も婉曲に表現し、それ以上は自分で理解しなさいといった調子ですから、なかなか手ごわい相手です。

 しかも「ぶぶでもいかがですか?」という言葉が「そろそろ帰ったらどうですか」という真意を秘めているという話に代表されるように、独特な表現が多くありますから、一筋縄ではいきません。

 でも、ささいなことに動じない落ち着きがあり、優しい気遣いができる京都人は、やはり魅力的です。

 ◆平川陽一 早稲田大学卒。主に歴史ミステリーの分野で活躍。著書に「世界遺産・封印されたミステリー」「戦争で読む日本の歴史地図」「日本列島 名城の謎」などがある。