WWEのスーパースターで新日本プロレスでも活躍した〝フェノメナール〟AJスタイルズ(48)が、2026年中の引退を表明した。日本大会「WWEスーパーショージャパン」(10月17、18日・両国国技館)を前に応じたインタビューで、今回が日本での最後の試合になると明言。新日本時代のライバルで、来年1月4日東京ドーム大会で引退を控える棚橋弘至(48)にも越境メッセージを送った。

 昨年7月の日本公演以来となる来日を前に、AJは自身の決断を口にした。「本当にワクワクしている。おそらく今回が日本で最後の試合になると思うので、とても楽しみにしているよ。まもなく引退を予定していて、引退前に日本に戻ってくることはないかもしれない」と、今回が日本ラストマッチとなる見通しを明かした。

 AJは新日本でIWGPヘビー級王座を獲得しトップ選手として活躍。2016年に入団したWWEでも最高峰王座を2度手にした。2010年代最高のレスラーとも呼ばれた男は、24年6月に引退を表明するも、直後にコーディ・ローデスを襲撃して撤回。しかし今年に入ると50歳までに引退する意思を明かした上で、自身のSNSに砂時計をモチーフとした画像を投稿するなど、リングを下りる時が近いことを示唆していた。

 そして正式に明かされた26年中の引退意思。「おそらくレッスルマニア(来年4月、米ラスベガス)には出ると思うが、まだ確定していない。詳細は未定だけど、来年中に引退することは間違いない」と説明した上で「〝AJスタイルズではない自分〟をファンに見せたくないんだ。それが一番の理由だ。体が動けなくなる前に、引退を決意した」と、胸中を明かした。引退後のプランに関しては「まだ決まっていないけど、おそらくはWWEで働くことになると思う。若手をメインロースターにふさわしい選手に育成するのもいいかもしれない。でも今はまだ分からない」と語るにとどめた。

 新日本時代に数々の激闘を繰り広げ、互いに実力を認め合う棚橋と同じ年に現役を終えるのも何やら運命じみている。AJは「棚橋は本当に偉大な選手で、ここまで業界に貢献した選手はあまりいないと思う。俺も彼と試合ができて本当に光栄だったよ」とライバルとの思い出を振り返った。

 WWE入り後も再戦の機会を熱望していた。「今でも1000%やりたい。ただお互いの立場もあるから、実現できるかは分からない。もう一度戦うことは難しいかもしれないけど、彼の引退試合は見たいと思っている。相手は誰がふさわしいか、というよりも、そのポジションは勝ち取らなければならないものだと感じる。棚橋の名試合は自分も何度も見ているから『コイツかな?』と思う人間はいるけど、誰になるか楽しみにしているよ」とエール。「お互いに引退の道を歩んでいるけど、これは本当に幸せなこと。プロレスをやっていれば体がボロボロになるのが付き物。引退試合をできるということ自体がとても幸せだと思う」と感慨深げな表情を浮かべた。

「日本はAJスタイルズを形成した場所でもあるし、世界で一番好きな場所でもある。リングで全力を出し切るよ。日本のファンからリスペクトを得られれば、ずっと歓声を送ってもらえる。俺が毎回日本に来るのはそのためだ」。日本のプロレスと日本食とレトロゲームを愛し、日本のファンからも愛されたフェノメナールが、両国国技館で最後の雄姿を披露する。

☆エージェースタイルズ 1977年6月2日生まれ。米ジョージア州出身。米TNAなどを経て14年から新日本プロレスに参戦。IWGPヘビー級王座を2度獲得するなど棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカのライバルとして活躍した。16年のWWE入団後も2度のWWE王座獲得、グランドスラム達成と世界のトップに君臨。得意技はスタイルズクラッシュ。180センチ、99キロ