トランプ大統領が英国を国賓訪問しているが、英国人はトランプ嫌いのようだ。一体なぜなのか。

 トランプ氏が英国到着前の16日(現地時間)には、チャールズ国王主催の歓迎行事会場であるロンドン郊外のウィンザー城の城壁に、少女への性的虐待罪などで起訴され公判前に自殺した実業家ジェフリー・エプスタイン元被告とトランプ氏のツーショットが投影された。訪英に反発し、中傷する意図で無許可で投影したとして、4人の活動家が逮捕された。

 国賓訪問は通常、国家元首1人につき1回に限られている。トランプ氏は2019年、故エリザベス女王の接待を受けている。英国君主による2回の国賓訪問で迎えられる近代初の政治指導者となった。

 英国事情通は「これまで2期目の米国大統領には、ウィンザー城で君主とお茶や昼食するだけの短い歓迎でした。2度の国賓訪問は異例です。スターマー政権がトランプ氏のご機嫌取りのために、チャールズ国王に提言したようです」と語る。

 英国ではトランプ氏を歓迎する声もあるが、17日にロンドンで最大50の抗議団体「ストップ・トランプ連合」による大規模デモが行われるなど、国賓訪問に反対の声の方が大きい。デモ参加者は「帰れ」「独裁者は歓迎しない」「タドラー(幼児)は英国をテーマパークにするな」などと、トランプ氏を批判した。

「社会的・財力的に高い地位を持つ者は、それ相応の責任と義務を負うべきという道徳概念〝ノブレス・オブリージュ〟が強い英国人としては、世界最強の国のトップであるトランプ氏が米国中心の言動を繰り返し、〝自己中心的〟なところへの不満が大きいのです。また、ウクライナ侵攻しているロシアのプーチン大統領やパレスチナ自治区ガザを攻撃するイスラエルのネタニヤフ首相など、世界的な〝悪人〟に味方していることも気にくわないでしょう」(同)

 何より、以前、トランプ氏が故エリザベス女王に数々の無礼をしたことが大きな反発を生んでいるようだ。

「2018年の実務訪問の際、閲兵式で2人が一緒に歩く際、トランプ氏が在位期間が最も長い君主であるエリザベス女王の前を歩き、カメラから女王を隠しました。しかも、いいところで突然立ち止まって、行く手をさえぎられた女王がトランプ氏の前に回り込むような形になった。これは英国人を激怒させました。そして、19年の国賓訪問では、女王の背中に手を触れたように見える行動を取り、礼儀違反ではと話題になりました」と同事情通。

 その後、24年に刊行された伝記作家クレイグ・ブラウン氏による伝記に、女王が関係者に「(トランプは)ベリー・ルード(とても無礼)だ」とこぼしたという記述があり、注目された。

 英国人にとってみれば、トランプ氏がチャールズ国王に無礼をしないか心配だというわけだ。