耳掃除をきっかけに発症する可能性があるという「外耳炎」。いったいどのような病気なのか、耳鼻咽喉科医の木村聡子先生に教えてもらおう。
――外耳炎とは
木村医師(以下、木村)外耳道に細菌が感染し、炎症を起こしている状態です。外耳道とは、耳の穴の入り口から鼓膜まで続く、約2~3センチの管状の器官。外耳炎の症状は耳の痛みやかゆみが代表的です。ほか、耳の中の腫れや耳垂れが出る、耳が詰まったような感じがするなどの症状が出ます。
――耳が詰まる感じがするのはなぜ
木村 外耳道が腫れて、物理的にふさがっていることもあるし、耳垂れでふさがることも。また、その耳垂れが、鼓膜に付着して、ふさがった感じにもなる。これらの自覚症状は中耳炎でもありうるので「中耳炎になった!」と受診されて、実は外耳炎だったというケースは結構多いです。
――中耳炎とは全く違う病気ですよね?
木村 中耳炎は鼓膜より内側の炎症です。風邪などをきっかけに、鼻や喉の病原体が耳管を通じて中耳に入って炎症を起こします。外耳炎で菌が繁殖していたとしても、鼓膜を突き抜けることは、鼓膜に穴が開いていないと起こりません。また外耳炎では耳にかゆみが出ることが多いですが中耳炎は痛みがメインです。
――外耳炎は耳掃除がきっかけになるんですか
木村 耳かきでガリガリと触ることで、正常な皮膚を壊すからですね。その傷口に菌が付着し、感染した結果、症状が出ます。特に耳の奥まで触りがちな人は要注意。入り口から3分の1くらいまではしっかりした皮膚ですが、奥の3分の2くらいは、すごく薄く繊細な皮膚のため傷つきやすく、炎症につながりやすい。
――ほか、どういう行動が外耳炎リスクになりますか
木村 耳をふさぐ行為が良くない。じめじめした温かい環境をつくってしまうため、菌が繁殖しやすい状態になるからです。耳をしっかりとふさぐイヤホン、補聴器、耳栓などを使う人はリスクが高いです。あとは、海やプールで汚い水や塩素が入った水が耳に入ることもリスク要因です。
――塩素も影響があるんですか
木村 塩素は皮膚への刺激になり、傷の悪化につながるんです。外耳炎にならないためには、耳掃除などでいじらない、そして空気を通して乾燥した状態にする。なにより大前提として、自分自身の体が元気でいることです。ストレスがたまっている人は、抵抗力が下がるのでなりやすい状態です。免疫の力がしっかり働けば、抵抗力で菌の繁殖を抑えられますよ。
☆きむら・さとこ 医学博士、日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本アレルギー学会専門医、補聴器適合判定医、補聴器相談医、難病指定医。大学病院、総合病院などを経て、現在は都内クリニックに勤務。耳鼻咽喉科疾患全般において年齢層を問わず幅広く対応し、丁寧な説明を心掛けている。













