広島は29日のヤクルト戦(神宮)に4―2で快勝。4月16日以来となる破竹の5連勝を飾り、DeNAと並び同率3位に浮上した。

 ここまでの8月中、攻守に不振だった坂倉将吾捕手(27)が奮闘。先制適時打を含む2安打2打点と打で復調し、マスクをかぶっても7回1失点の先発・森翔平投手(27)とのコンビでツバメ打線につけ入るスキを与えなかった。フル出場で連勝の輪に加わった坂倉に対し、新井貴浩監督(48)も「らしくなってきたかなと」と復調に太鼓判を押した。

 その一方で最近の鯉将のタクトは「未来志向」になっている。今月上旬に、セ・リーグも2027年シーズンから「指名打者制」の導入を決定。まだ1年以上の猶予を残すものの、そのタイミングを見据えた起用法も展開し始めている。これまでは主に守備固めや代走など途中出場が主だった面々の抜てきだ。

 8月は10試合に先発し、この日も持ち味を生かした俊足で6回に一塁へのけん制悪送球から一気に本塁へ生還した7年目・羽月隆太郎内野手(25)は筆頭格。他にも大盛穂外野手(28=8月4試合先発)、二俣翔一内野手(22=同4試合先発)、前川誠太内野手(22=同6試合先発)らユーティリティープレーヤーが度々スタメンに名を連ね抜擢されている。

 月間打率3割5分に迫る羽月のように、打撃好調であることが大前提。しかし、鯉将は試合のベストオーダーをチョイスしつつ「そういうのも、もちろんある」と語っており、2年後のDH制導入を見据えた〝働き場拡大〟を図るためのタクトも振るっている。

 これには球団関係者も「DH制になると、これまでの起用法が変わる。絶対的なレギュラーとは別に、ベンチスタートの選手もこれまでの起用法から変化があるのは間違いない。投手が打席に立たないことで確実に出番が減るのが、守備・代走要員の選手。ベンチに置く頭数は減るはず」と理解を示す。

 その上で「そういった途中出場(要員)から先発でアピールに成功して、レギュラーを獲った選手は過去にもたくさんいた」と解説。現状こそ「毎日で先発で」とまではいかないにせよ、将来のレギュラーとして可能性を持つ若手にスタメン機会を与え〝働き場拡大〟の可能性を探り、見極めも同時に行っているというわけだ。

 指名打者制がスタートする際には「野球の質は変わってくると思う」とコメントした新井監督。逆転Aクラス入りのミッションとともに、未来におけるチームの輪郭作りも粛々と進めている。