筆者はかつて当連載でパプアニューギニアに生息するという未確認生物「ローペン」を紹介した。現地の人々に「悪魔の鳥」とも呼ばれているローペンは体に鱗(うろこ)があって、翼にカギヅメがあり、そのツメを使って木にとまるなどの特徴から、正体はジュラ紀や白亜紀に生息していた翼竜ではないか?と考えられている。
実はパプアニューギニアには他にも、まるで恐竜の生き残りとも言える姿をした未確認生物が多数報告されている。
今回は中でも昔から現地の人々に目撃されてきたUMA「ミゴー」を紹介しよう。
ミゴーはパプアニューギニアはニューブリテン島のダカタウア湖に生息しており、体長は5〜10メートル程度。長い首にはウマのようなたてがみがあり、ワニに似た尾と鋭い歯を持っているとされる。非常に獰猛(どうもう)な性格だとされ、現地の人々は非常に恐れていたという。
なお、ミゴーは現地の言語の一つであるトク・ピシンでは「マサライ」と呼ばれている。パプアニューギニアには同じ「マサライ」という名の精霊の伝説が残っており、部族によってはミゴーはマサライと同一視され、神聖視されてもいるとみられている。
このマサライは模様のあるヘビないしは双頭のヘビの姿をしていると言われ、狩猟神でもあるが自分の領域を侵したものには容赦ない災厄をもたらすとして恐れられている。一見、ミゴーとマサライでは姿がかけ離れているように思えるが、長い首からヘビを連想したのかも知れない。
さて、ミゴーは意外に海外よりも日本で有名なUMAであり、1970年代から調査が行われ、1994年にはTBSが、2008年には日本テレビが、それぞれミゴーらしき謎の影を捉えている。しかし、いずれも遠くに浮かんだワニや流木などを捉えたものではないかと考えられている。
現地の人々の伝説も含めれば、ゆうに数百年は目撃されているUMAミゴーの正体には諸説ある。有名なものは絶滅した古代の巨大海生爬虫類モササウルスではないかとするものだ。原住民らのワニに似ているという目撃証言などから考えられたものだが、モササウルスにたてがみは存在しないとされているし、首が長いという目撃証言とは合致しない。
そこで出てきたのが、絶滅した大型のワニであるデイノスクスが正体ではないかとする説だ。確かにワニであれば、現在も生息しているため、古代種であっても生き残れるかもしれない。
しかし、デイノスクスは現在の北米大陸に生息していたと考えられており、またニューギニアでは化石が発掘されていないので、これも仮説の域を出ない。
そこで一番有力視されているのが、普通のイリエワニの誤認説だ。前述で現地の精霊マサライを紹介したが、実は現地の人々はイリエワニのことも同じく「マサライ」と呼んでいるのだ。それでなくとも、水辺にすむ凶暴な爬虫類、ワニやヘビが神格化されることは珍しいことではない。ダカタウア湖に生息する凶暴なイリエワニもまた、神格化されるうちに謎の生物ミゴーとしての新たな姿を獲得したのかもしれない。













