終戦から80年となった15日、石破茂首相は靖国神社への参拝や80年談話の発表を見送ったが、式辞で「反省」の文字を復活させたことが波紋を呼んでいる。

 靖国神社には朝から小泉進次郎農水相や小林鷹之元経済安保相、高市早苗前経済安保相のほか、超党派の議員連盟「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の52人が参拝した。

 靖国参拝を巡っては、私人か公人かの議論になる中、参政党の神谷宗幣代表は「私人ですか? 公人ですか? 日本人として参拝します」と表明し、所属する党国会議員18人全員と地方議員70人を加えた88人の議員団で参拝した。多くの報道陣に加えて一般参拝者に取り囲まれる中、「外交上の問題を考えていると思うが、総理にもぜひ参列してほしい」と石破首相に呼びかけた。

 また参院選で初当選した日本保守党の百田尚樹代表は国会議員の立場では初の参拝。この模様がすぐ報じられたことに、Xで「こんな普通のことがニュースになるのはおかしいと思う」と苦言を呈した。

 物議を醸したのは、政府主催の全国戦没者追悼式での石破首相の式辞だ。「戦争の反省と教訓を、今改めて深く胸に刻まねばならない」と2012年の野田佳彦首相以来となる「反省」の言葉を使った。第2次安倍政権以降は封印されていた二文字が、石破首相のこだわりで復活したという。

 これに保守かいわいでは批判の声が一部で上がる一方、リベラル系からは「当然」と歓迎される事態となった。戦後80年に寄せ、「戦争の『罪』は償ったと言えるでしょう。少なくとも、今を生きる日本人がその罪を背負う必要はありません」との〝百田談話〟を発表していた百田氏は「『反省』の言葉を入れたことを『反省』してもらいたいですね」と石破首相を皮肉った。

 もっとも続投に意欲を燃やす石破首相はハラを固めたようだ。参政党と保守党の台頭は、石破首相の弱腰姿勢に嫌気を差した自民党の岩盤保守層が流れたとみられているが、このところの石破首相は旧安倍派や岩盤保守層への抵抗を強めることで、政権支持率が上昇する現象が起きている。

「自民党内と世論の乖離が起きている。地方組織の石破おろしの声は強いが、強硬に退陣要求するのは難しくなっているのでは」(野党関係者)

 石破首相はこの日の談話発表こそ見送ったが依然、戦後80年の見解発表のタイミングを狙っているよう。今後を大きく占う終戦の日となったようだ。