決断は吉と出るか凶と出るか――。フランス2部スタッド・ランスに所属する日本代表MF伊東純也(32)のベルギー1部ゲンク復帰が決定的となっている。2部では来年の北中米W杯メンバー入りへ悪影響の恐れもあるだけに、欧州5大リーグはかなわなくとも1部でのプレーを優先させた模様。伊東の今後について元日本代表FW武田修宏氏(58)は、古巣復帰のメリットを力説した。

 Sランスの2部降格で去就が注目される中、伊東はチームの日本ツアーに参加こそしたが、締めくくりとなる2日のG大阪戦後には退団の見通しに言及した。

 古巣ゲンクへの復帰が現地メディアで次々と報じられており、一両日中にはメディカルチェックを行う見通し。Sランスは移籍金を600万ユーロ(約10億2000万円)に設定していたが、300万ユーロ(約5億1000万円)程度で話し合いが進んでおり、あとは正式発表を待つ段階となっている。

 そうした伊東の状況について武田氏は「来年にW杯もあるし、ある程度高いレベルで試合に出なければならない。クラブ側もどんな選手かわかっているし、試合に使う前提でオファーを出したのだろうから、出られないリスクは避けられる。以前プレーしたクラブだから、なじみやすいというのも大きい」とプラス要素を挙げた。

 さらにゲンクがプレーオフ経由で欧州リーグ(EL)に参戦する可能性があるのも歓迎した。「リーグ戦だけではなく、欧州の大会に出られることになれば、格上との対戦もあり得る。リーグ戦で格下とやるときとは異なる守備的な戦術を強いられることもあるだろうし、様々な状況に対応するという意味では良い選択だと思うよ」

 たとえ5大リーグではないとしても、ベルギー1部でのプレーは〝2部慣れ〟を回避できるメリットもある。武田氏は「トップでやってきた選手が2部とかに行ったら最初は良くても、慣れちゃうんだよね。Jリーグでも海外から帰ってきた選手が何試合かはいいけど、そのうちなじんでしまうこともある。常に欧州の1部でやることは重要」とサッカー界の実情にも触れて強調した。

 日本が誇る快足ウイングにとってSランスは愛着あるクラブではあるが、武田氏は「年齢的にも来年のW杯は最後のチャンスかもしれないし、出るためには普段の環境が大事。いろいろ決断しなければならなかったのだろう。期待したいね」。伊東は自身の選択が正しかったことを結果で証明することができるか。