オカルト評論家・山口敏太郎氏が都市伝説の妖怪、学校の怪談、心霊スポットに現れる妖怪化した幽霊など、現代人が目撃した怪異を記し、妖怪絵師・増田よしはる氏の挿絵とともに現代の“百鬼夜行絵巻”を作り上げている。第247回は「千円小僧」だ。
子供の母親の財布から、1000円札を1枚だけ抜き盗る妖怪である。小銭や5000円札、1万円札は盗らない。金を必要以上に多く盗らず、逆に少ない金額を盗ることもない。ある日、財布から突然1000円札が1枚だけなくなっているのだ。これは母親の財布から1000円札を抜いた子供のいたずらを妖怪視したものだが、一種の教訓妖怪でもある。
お金に関する妖怪として一番に想起されるのが「銭神」である。これは、幸運の妖怪であり、鳥山石燕は金倉に空中から金が降り注いでいるように描いている。この妖怪に憑りつかれたものは、知らず知らずのうちに金持ちになると言われている。
銭神と似た妖怪に「金霊(かねだま)」という存在が伝えられている。町田市に残る伝承によると、天空から降ってきた隕石を妖怪扱いしたものらしい。ちなみに現在では、その隕石の行方は全く分からないという。
他に、青梅市にも「金霊」という妖怪が伝わっている。青梅市の場合、口承の情報として伝わっており、雨の日に竹やぶの中で空中に浮いている様子を目撃したそうである。この場合も、見た者は幸せになるそうだ。
また、金霊とは少し違うが、昔話系列の妖怪で言えば、「とっつくひっつく」がいる。これは、埋蔵された宝物が化けて出る妖怪であり、各地の昔話で語られている。使用されず秘匿された宝物は妖怪となって、人間に「とっつくひっつく」と声を掛けておぶさってくる。しかし人間が我慢して持ち帰ると金銀に変わるという。












