参院選で躍進した国民民主党の比例代表で、最後の7議席目となる当選者が海洋学者の山田吉彦氏(62)に決まった。

 日付をまたいで21日午前に当確が報じられた山田氏。これまで東海大海洋学部教授として、海洋安全保障問題などでメディアを通じて発言することも多かった。尖閣諸島の海洋環境調査に携わる一方、「中国による侵攻の危機」を訴えるなど政治的発言もちゅうちょせず、この参院選で政界進出を果たした。

 いわば海の専門家である山田氏だが、かつては陸の世界でも活躍した。自身のホームページの経歴に「中学校から陸上競技を始め、佐倉高校在学時には、小出義雄監督の指導のもと、千葉県代表として全国高校駅伝に出場」と記している。

 山田氏は千葉県の佐倉高校時代の1979年、第30回全国高校駅伝に同校の一員として出場。2区を走り、チームは参加56校中34位の成績を残している。佐倉は78年大会にも出場し21位だったが、山田氏は補欠のため走っていない。

 小出監督はリクルートや積水化学で、五輪2大会連続メダリストの有森裕子、世界選手権優勝の鈴木博美、シドニー五輪金メダルの高橋尚子ら世界的マラソンランナーを育てた名伯楽として知られる。2019年に80歳で死去した。

 リクルートの指導者に転じる前には、千葉の市立船橋高校の男子を86年の第37回全国高校駅伝で初優勝に導いた小出監督。体育教師として赴任した同校で小出先生の授業を受けた生徒の1人が、卒業後の88年にソウル五輪男子競泳・100メートル背泳ぎで金メダルを獲得した鈴木大地氏(58)だった。

 鈴木氏も今参院選に自民党から東京都選挙区に出馬し、77万票あまりを得てトップ当選。日本水泳連盟会長、スポーツ庁初代長官などを歴任した華麗なキャリアに新たなページを刻んだ。

 高校の部活と授業、それぞれの教え子が新人議員となる小出監督。自身もかつて、永田町かいわいから〝候補者〟として熱い視線を注がれているなどと噂されたこともあった。本稿筆者も以前、国内メジャー女子マラソンの選手記者会見当日、選挙の情勢を伝える新聞に見入っていた小出監督を目撃したことがある。2人の初当選に天国で目を細めているかもしれない。