人事を尽くして天命を待つ――。21日に23歳の誕生日を迎えたフィギュアスケート女子で2018年グランプリ(GP)ファイナル覇者の紀平梨花(トヨタ自動車)が、7年連続で独占インタビューに応じた。直近の2季は右足首のケガなどで全休を決断。26年ミラノ・コルティナ五輪への出場は厳しい状況だが、小学校の卒業文集で記した五輪への夢をあきらめるつもりは一切ない。懸命にケガと向き合い、心技体で成長を遂げるスケーターが〝完全復活〟への道筋を明かした。
――ついに23歳を迎えた
紀平 なんか、結構年齢が来ているなみたいな感じですね…。いつの間にみたいな(笑い)。何か17歳だったころから一瞬だった気もするけど、23歳の器になってきてはいるかなと思っています。それを生かしてまだ若いと言われる今のうちにたくさんのことをやり残さないように頑張りきりたいです。
――昨季は2季連続の全休を選択し、試合に出ることがなかった
紀平 (右足首の)骨の厄介な場所に(MRIで見ると)線が入っているので、手術をしても完治まで数年単位でかかったりするらしいです。思っている以上になかなか良くならなくて、どういう動きしたら痛くなるとかもなくて、後に痛みが出てきて、骨にも響いていたということが多いですね。練習の強度もある程度はやれてしまうくらいの痛みだからこそ、痛みの強さや感覚とかを感じ取りながら調整をしています。でもなかなか追い込む練習ができていなくて、治りきらず悪化してしまうことの繰り返しだったので欠場を決めました。
――今の右足首の状態は
紀平 1年半ぐらいほとんど氷に乗らない期間があったけど、少しずつ岡山で練習を再開して、週に4~5回くらい、1時間半ほど滑っていました。初めは全然ジャンプはしなかったので、スケーターとしての自信を本当に失っていたけど、自信を取り戻すためにも練習をしていこうと思っていて、今は少しずつ自信を取り戻してきている段階です。
――ジャンプなどは今できているのか
紀平 今年に入ったあたりから、月1回感覚を確認する程度だったけど、ぼちぼち3回転ジャンプを跳び始めているところです。感覚はいいので思い切り跳べるようになったら、割と高い確率で跳べそうな気はしています。今は足の状態に注意しながらジャンプをしているけど、感覚は試合に出ている時とあまり変わらないので、不安はそんなになくて、全力で跳べる日が来るのを一番楽しみにしているところです。
――体力面に関してはどうか
紀平 曲かけ練習は去年の9月ぐらいから氷に乗ったら、ジャンプを入れなくても必ず通すようにしているので、体力面とかはだいぶついてきていると思います。体力面は約1年弱、練習を積み重ねてきて(右足首が)痛くなった時は休むこともあったけど、スケーティング面とともに戻ってきた感じがしています。
――今季はいよいよミラノ・コルティナ五輪シーズンだ
紀平 (本格的に試合が始まる時期まで)2か月くらいしかないので、焦りや不安とかはぬぐい切れていない部分も正直あります。でもやれる限りのことはやり切りたいと思っているので、最後まで希望、少しのチャンスを信じていきたいです。今は自信を取り戻してきているところなので、できることを磨いて、チャンスの時、良くなったタイミングでドンと復活できるように、諦めないようにしたいです。
――最後に23歳をどんな1年にしたいか教えてほしい
紀平 自信を持って、みなさんに見てもらいたいと思えるスケートができるようになりたいです。ケガでつらい期間もスケートに向き合うことを辞めずに、できることを考えて行動してきたので、その成果を発揮したいし、少しでも早くみなさんの前で演技ができる日を楽しみにしています。
【注目のSP&フリー曲は?】6月末にカナダ・トロントに渡った紀平は、クリケットクラブで羽生結弦らを育てたブライアン・オーサー氏の指導を仰いでいる。約1か月の滞在期間でミラノ・コルティナ五輪イヤーのショートプログラム(SP)とフリーの曲を決める予定だ。「まだ固めていないけど、今はまだあまり追い込めない状況だし、練習ではいろんな曲で滑っているので、慣れている曲がいいのかなとは思っています」と展望を語った。現段階でSPは「ブレックファスト・イン・バグダッド」、片手側転で話題となった「ザ・ファイア・ウィズイン」の2つを軸に検討。フリーは「タイタニック」を継続する意向を示している。
☆きひら・りか 2002年7月21日生まれ。兵庫・西宮市出身。5歳でスケートを始め、16年ジュニアGPシリーズで女子史上7人目のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させて優勝。18年にシニアへ転向すると、同年GPファイナル初出場Vを含む国際大会6連勝と大躍進。19年に全日本選手権を初制覇し、20年の同大会で日本人女子2人目の4回転ジャンプ(サルコー)を決めて2連覇を達成した。姉はダンサーなどで活躍中の萌絵さん。155センチ。














