西武の渡部聖弥外野手(22)が独特の思考を生かし、ヒーローになった。チームは17日の日本ハム戦(ベルーナ)で4―3と逆転勝利し、連敗を3で止めて勝率も5割復帰。値千金の一打を放ったのが、ドラフト2位ルーキーだった。

 2点を追う5回一死満塁の好機。それまで5打数無安打に抑え込まれていた相手先発・山崎福の初球チェンジアップをとらえ、中前に同点となる2点適時打をたたき出した。その打球を捕球した相手の中堅手・五十幡が二塁走者の三塁封殺を狙うも悪送球。勝ち越しの走者・外崎が還り、一気に逆転に成功した。

 お立ち台で渡部聖は「最高の気持ちです。初球から甘いボールが来たら絶対に捉えてやろうという強い気持ちでした。入る前から狙い球は絞っていたので1球で仕留めました」と言葉に力を込め、胸を張った。

 技術に加え、分析力も「新人離れしている」ともっぱら。そんな理論派ルーキーの思考に影響を与えているのが、ある一冊の本だ。

「大学の時に自己啓発的な本を読んで考え方を学んだ一冊なんですけど、『エフォートレス思考』という本があるんです。無駄な考え方を省いて直線的に考えれば、効率的に成果は最大化できるというような内容です」(渡部聖)

 このところストレートに強い自らの傾向を他球団から完全分析されたことで、本人いわく「ストレートはほぼ見せ球でストライクゾーンには来なくなりました」という。相手の対策を上回るためにはブレることなく、しっかり狙い球を絞った上で打席に入らなければ、相手の術中にハマってしまうケースが増えてきた。

 この日はデータ班が分析した山崎福の配球傾向を頭に入れた上で狙い球をチェンジアップ一本に絞り、それを仕留めた。努力を最小化し、成果を最大化した駆け引きの勝利だった。