テニスの全仏オープン(フランス・パリ)の男子シングルス準々決勝で起きた〝ワンシーン〟に疑問の声が上がっている。

 世界ランキング7位のロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)と同16位のフランシス・ティアフォー(米国)の一戦は、第1セットをムゼッティが6―2で先取。第2セットはムゼッティが苦しい展開を強いられ第8ゲームを終えて3―5とリードを許す。その直後にボールボーイからボールを渡されたムゼッティは、取り損ねたボールを左足で蹴ると、蹴ったボールが線審の胸付近を直撃した。

 ムゼッティはラケットを掲げて謝罪の意を示すも、ティアフォーが主審に猛アピール。ムゼッティは警告を受けたが、試合は続行となった。試合は3―1(6―2、4―6、7―5、6―2)でムゼッティが勝利して4強入りを決めたものの、主審がムゼッティの行為を警告にとどめたことが波紋を呼んでいる。

抗議するティアフォー(ロイター)
抗議するティアフォー(ロイター)

 英紙「ガーディアン」は「線審にボールを蹴ったムゼッティが罰を免れたことでティアフォーは困惑」との見出しを立てた上で「ティアフォーはこの判定を『滑稽』と評し、ルールに矛盾があると指摘した。これまで、意図せずテニスボールを人に当てたために失格となった選手は数多くいる」と報じた。

 ロシアメディア「sports.ru」は「ロレンツォ・ムセッティの全仏オープンでの快進撃は準々決勝の第2セットで終わるはずだった」と伝えるなど、批判が相次いでいる。

「ガーディアン」によるとムゼッティは「本当に不運な偶然だった」と潔白を強調するも、後味を悪い幕切れとなった。