全国の公立学校で〝水泳離れ〟が進む現状に日本水連は危機感を強めるが、現場の教員からは不満の声が上がっている。
学習指導要領上では中学2年生まで水泳の授業は必修だが、施設の老朽化などが原因で一部の自治体が廃止を決定している。日本水連の鈴木大地会長は「1955年、相次いだ水難事故を契機として小中学校学習指導要領に学校のプール設置と水泳授業の取り組みが明記された。以来、学校のプール設置と水の安全教育・泳ぎの基礎学習が進み、児童の水難事故防止と健康増進に大きく貢献してきた」と水泳のメリットを強調するも、ある現役教員は複雑な思いを抱いている。
教員の長時間労働は社会問題で、残業時間が過労ラインの1か月80時間を超えるケースも多くある。本紙の取材に応じた同教員は「水泳に関しては、学校の体育に任せすぎだと思う。もちろん生徒の命を守るために動くけど、水泳教室の先生と比べたら安全面や指導面はどうしても不安が生じてしまう」と本音を吐露。さらに負担を減らすためにも「命にかかわる活動は、行政がプロに頼むべきではないか。学校に任せるならその分の費用をしっかり出してほしい」と訴えた。
鈴木会長は「健康増進・水辺の安全を目的とした水泳の普及=『国民皆泳』を使命としている。すべての児童の水泳体験機会の維持に向けて、その必要性を強く説いていく所存である」との見解を示す。ただ、厳しい実情を打破するには学校だけに頼らない新たな策を講じる必要がありそうだ。












