決して許されない行為が起きた。27日(日本時間28日)のガーディアンズ―レッドソックスの一戦で、看過できないファンの野次に当該選手が激高する場面があった。卑劣な言葉による攻撃を受けたのは、この日レ軍の「1番・左翼」で出場して4安打を放ち、チームを大勝に導いたジャレン・デュラン外野手(28)。問題の場面は7回だった。デュランが一塁側内野席に詰め寄り、怒気をはらんだ口調でファンに向かって抗議した。すぐにコーチ陣、チームメートがなだめに入り、28歳は落ち着きを取り戻したが、怒りと落胆に満ちた表情が事の重大さを物語っていた。

 米メディア「ニューヨーク・ポスト」はこのシーンの顛末を詳報。元レッドソックスOBで現在は解説者を務めるウィル・ミドルブルックス氏が自身のX(旧ツイッター)で、ファンが「チャンスがあった時に自殺すべきだったと彼に言った」という投稿を引用。試合後にデュランが野次の内容を認める形で、ミドルブルックス氏のXをスクリーンショットし、自身のインスタグラムストーリーに投稿したことを伝えた。

 デュランは、ネットフリックスのドキュメンタリーシリーズで、過去に精神的な問題と闘ったことや自殺未遂をしたことについて公表。自身のメンタルヘルスとの闘いを公に共有することが「重要だと感じた」ためだったという。また同紙によれば、ドキュメンタリー番組の放送後にデュランは声明で「もし私の物語が一人でも誰かの助けになるなら、伝える価値があった」。「孤独を感じている人たちに手を差し伸べ、助けることができるというその力こそが私に物語を伝えようという原動力となった」と思いを打ち明けていたという。

 今回の不快すぎる野次に、ガーディアンズも即座に対応。「問題となっている行為の重大性を認識しており、このような行為を非常に深刻に受け止めています。レッドソックス球団、当該選手、そしてファンの皆様に深くお詫び申し上げます。この事態に対処すべく、現在対応を進めております」と声明を発表した。さらにガーディアンズは問題のファンを特定し、今後の対応についてMLBに協力することを伝えたという。 

 感情的にならざるを得なかった試合後、デュランは事態の解決に協力してくれた審判と警備員に感謝を示したという。野次を飛ばしたファンを特定するため、周辺で観戦していたファンが協力する動きも出ている。野球を楽しむ環境を取り戻すべく、連帯が広がっている。