大阪・関西万博に民間会社名義で参加した台湾のパビリオン「TECH WORLD(テックワールド)館」に対し、中国が不快感を示している。

 TECH WORLD館のテーマは「世界をつなぎ、より良い未来の生活を創造する」。同館は台湾の独特な生態環境を紹介するほか、館内のいたるところにAIの要素が見られ、台湾の技術的ソフトパワーを一般公開している。

 しかし、同館については、紆余曲折があった。以前から日本は、台湾が博覧会国際事務局(BIE)に加盟していないため、「台湾パビリオン」と名乗らないよう要請していた。そこで台湾経済部(経産省)系の団体「台湾貿易センター」が出資して設立した民間会社「玉山デジタルテック」の名義で「TECH WORLD館」と名乗ったわけだ。

 これに台湾のネットユーザーが3月ごろから、SNSで「TECH WORLDは略してTW。つまり台湾。賢い」「考え抜かれた設計」「間違いなく台湾人向けのシャレだ」「台湾はBIE非加盟国なのに日本に招待された。日本の友情の表明だ」などと話題になっていた。

 当然、中国は黙っていない。中国国務院(政府)台湾事務弁公室の朱鳳蓮報道官は16日、「台湾の民主進歩党(民進党)政権によるこざかしい動きだ」と指摘。

 さらに朱氏は「台湾は、島の住民をだまし、国際社会を誤導しようと、いわゆる〝国際的存在〟という幻想を作り上げるために、さまざまな機会に小さな動きをすることに慣れている。彼らがどれだけ抵抗しようとも、台湾が中国の一部であるという事実は変えられず、彼らの笑いものになるだけだ」と述べた。

 中国の強い姿勢について、中国事情通は「中国政府としては、台湾は中国の不可分の一部であり、国であったことは一度もないというスタンスです。そんな中、トランプ大統領は中国と国交断交するかのような高関税を中国に課しました。また、東アジアに駐留する米軍を減らしたい意向です。習近平国家主席は、2027年の3期目の任期終了までに台湾問題を解決したいと述べています。関西万博の台湾のパビリオン問題の裏では、台湾有事に目を光らせておかないといけないでしょう」と話している。