日本大学の入学試験で替え玉受験しようとしたとして、警視庁世田谷署は21日までに、中国籍の男を建造物侵入と有印私文書偽造の疑いで再逮捕した。替え玉受験のはずが、受験者本人の男性と試験会場で鉢合わせしたことで発覚した。男性は、替え玉受験を依頼していないという。
再逮捕容疑は、氏名不詳者らと共謀し3月4日、10代の中国人男性に成り済まし、日大三軒茶屋キャンパス内の試験会場に侵入し、解答用紙の氏名欄に男性の名前を書き、試験を受けようとした疑い。容疑者は同日、偽造在留カードを所持したとして現行犯逮捕されていた。
容疑者は、SNS「微信(ウィーチャット)」で知り合った氏名不詳者から「入試を受けたら報酬を支払う」と言われ、男性名義の受験票と偽造在留カード、小型カメラ、小型イヤホンなどを受け取り、席に座り、犯行に及んだ。試験が始まる直前に、男性が試験会場に来て発覚したという。男性も本人名義の受験票と在留カードを持っており、大学側が通報した。
中国では大学入試(高考)や国家試験、公務員試験などで、カンニングおよび替え玉受験の組織的ビジネスが長年の問題になっている。
中国事情通は「近年は顔認証、指紋認証、金属探知機、電波妨害装置、AI監視などで、カンニング&替え玉対策が厳しくなっています。そのため、組織が新しいビジネスとして外国の試験をターゲットにしているのです。小型カメラやイヤホンなどのハイテク機器を渡しているので、中国本土の仲介組織がやった可能性があります」と指摘する。
替え玉受験では、本人は会場に来ず、替え玉が受験することで成立する。そのため、今回の最大の謎は、なぜ鉢合わせしたのかだ。
本場・中国の替え玉受験では、依頼者が「替え玉はちゃんと受験してくれるのか」「カネだけ持ち逃げしないか」と不安になり、会場に来ることで不正が発覚することもあるという。しかし、今回の男性は依頼していないようだ。
「本場では同時に多数の替え玉が行われます。しかも、依頼者、仲介組織、替え玉のやりとりはSNSだけ。だから、『本人は来ない』『やっぱり直前に本人が受けると思い直した』『替え玉の身分証偽造がバレた時のため本人も待機して』など、連絡の行き違いが生じて、不正が発覚することもあります。同じ偽造受験票を複数の替え玉に渡す、会場・日時を間違えるなどの失敗もざらです。今回、本人が依頼していないのか、依頼したが思い直したのかは分かりませんが、仲介組織の単純なミスでしょう」(同)
現在の中国では、壮絶すぎる大学受験競争、若年失業率の高さ、不動産不況による経済悪化などから、若者が海外に出る選択肢が重視されている。「日本の大学に合格して、日本に合法的に長期滞在できる留学ビザの取得は、価値があるのです」と同事情通は話している。












