リーグ連覇と13年ぶりの日本一へ、阿部慎之助監督(46)が扇の要を甲斐拓也捕手(32)に託す。

 球団は昨オフにソフトバンクからFA宣言した甲斐を獲得。阿部監督が現役時代につけた背番号10も〝禅譲〟し、新たな投手陣との連携3試合を任せるのは現実的ではない。体力的にも過酷なポジションであるだけでなく、故障など有事の際への備えは欠かせない。現状で開幕一軍は甲斐のほか大城卓三捕手(32)、岸田行倫捕手(28)の3人が濃厚。甲斐がレギュラーに回る以上、他の2人は控えに回る機会が増えることが想定される。

 実松一成バッテリーコーチ(44)も甲斐の実力を「守備に関しては経験値も球界でもトップレベルだし、スローイング、ブロッキングとかの技術に関しては、特にこちらサイド(コーチ側)から『ああしろ、こうしろ』って言うこともない。もうトップレベルなんで」と絶賛。ただ、同時に強調したのがレギュラーの座を奪われる他の捕手陣への〝ケア〟だった。

「1人が一本立ちするっていうのもチーム構成的にはすごくいいことだと思うんだけど、3人が高いモチベーションとレベルを保ったままシーズンを戦っていけたらいいなと思うし。誰か一人でも『どうせ出れないよ』っていう気持ちになってもらったら困るし。誰が出ても勝つだけ。勝てるキャッチャーが出るように常に準備をしています」

 実松コーチ自身も2006年に日本ハムから巨人に移籍して以降、控えに回ることが多かった。他ならぬ阿部監督が不動の正捕手に君臨していた影響が大きいが、腐ることなく準備を続けたことが現役生活を19年間続けられることにもつながった。

 そんな実松コーチだからこそ現役の選手たちにも思いを寄せられる。いかにモチベーションを維持させられるかもシーズンの行方を左右することになりそうだ。