ドジャース・大谷翔平投手(30)に日本中がクギ付けとなっている。28日にはNPBの開幕が控えるが、現状は大谷を中心とする話題が独占。まさに桁外れの〝大谷フィーバー〟は、プレシーズンゲームで対戦した日本の選手たちにかけがえのない「財産」を残していた。
東京ドームが「大谷色」に染まった。14日の公開練習には平日にもかかわらず1万人超のファンが集結。巨人、阪神との2試合では計8万40000人以上が詰めかけ、大谷は15日の巨人戦で右翼席中段に期待通りの一発を放った。
投手復帰へのプログラムは一時中断しているものの、調整は順調で「エキシビションでしたけど、これだけ(お客さんに)入ってもらって、自分としても久々に帰ってきた感じがしたので、いい打席だったと思います」と手応えを口にしていた。
一方、貴重な対戦機会に恵まれた巨人と阪神の若手選手たちには、さまざまな形で〝大谷フィーバー〟がのしかかった。巨人戦はレギュラーシーズンと同様にホームゲームだったが、本拠地の客席の多くはドジャー・ブルーのユニホームを着たファンで埋め尽くされた。
初回の第1打席で先発した戸郷が大谷に四球を与えると、球場中にため息が充満。チーム関係者も「ホーム球場なのに、アウェー球場にいるような感覚。ちょっと経験したことがない独特な雰囲気ですよね」と困惑したほどだった。
また、相手が相手だけに、対戦する投手側も細心の注意を払っていた。若手の一人は「大谷さんとの対戦は楽しみな一方で『絶対当てたらアカン』っていう怖さもある。あとは球場の雰囲気にのみ込まれることは、一番まずいっすからね」と試合前から別の緊張感に支配されていた。
こうした異常な空間も、若武者たちの大きな糧となったことは間違いない。別の若手は「確かに高い壁であることは間違いないけど、エキシビションとはいえ、ここで抑えたら普段じゃ得られない自信になりますし、超楽しみです。絶対、抑えてやります」と対戦前から息巻いていた。大谷から空振り三振を奪うなどドジャース打線を5回1安打無失点と完璧に封じ、ロバーツ監督を「球威はメジャー級」と言わしめた阪神・才木は、その好例だろう。
ホームなのにアウェー空間、世界のスーパースターに死球を与えられないプレッシャーの中でも勝負して抑える――。大谷との対戦が残した「財産」は、今後の成長に計り知れない刺激と経験をもたらしたようだ。











