巨人・甲斐拓也捕手(32)が12日のソフトバンクとのオープン戦(みずほペイペイ)に「9番・捕手」で先発出場した。昨季まで在籍した古巣とはこの日が初対戦となったが、入団から3か月以上がたった新天地では野球の技術だけでなく人間性に対する評価もうなぎ上りとなっている。

 かつての本拠地に「甲斐」の名前がアナウンスされると、球場内は拍手に包まれ、7回の打席では右前へ運んで古巣から〝初安打〟。出番を終えると「すごくいろいろ考えることがありました」と素直な思いを口にし「ホークスファンはすごく温かく迎えてくれて、本当にうれしく思います」と感謝した。

 考えに考え抜いた末にFA権を行使し、伝統球団への移籍を決断した甲斐だが、早くも巨人の〝教訓〟である「常に紳士たれ」を体現しているようだ。球団関係者は「当たり前のことだけど、若い選手でもお礼やあいさつをしない人も中にはいるんですよね」と実情を明かしつつ「拓也(甲斐)は普段の練習だけではなく、個別練習の時にも『ありがとうございます』『こんなに遅くまで残ってもらってすみません』としっかりあいさつするんです。礼儀正しい人なんですよ」と語った。

 決して若手選手を責めているわけではない。しかし、礼儀やあいさつは「基本中の基本」でもある。それだけにベテランのくくりに入る甲斐の行動は、大きな手本になるというわけだ。

 実際、この日は真っ先に球場入りすると鷹の首脳陣や柳田、周東といった元チームメートたちにあいさつしては握手を交わし、頭を下げて回っていた。さらに、甲斐を育成時代から知るホークス関係者は人間性についてこう分析した。

「根が本当に真面目だからこそ、受け答えもしっかりしているし、野球に関しては育成から人一倍努力していて…。特にキャッチャーというポジションはいろんなことが求められるので、本当にキツいことがいっぱいあったと思う。そういうところでも真摯に向き合って挑戦している」

 阿部監督からの期待も大きく背番号10まで託された甲斐は、試合以外のところでもチームを引っ張る存在となりそうだ。