悲運の天才ドリブラーが今見つめるものとは――。J1横浜Mの元日本代表FW宮市亮(32)は、イングランド・プレミアリーグの名門アーセナルなど多くのクラブでプレーしてきたが、そのキャリアは負傷との闘いでもあった。それでも昨季はJ1で自己最多の32試合に出場。最近はサイドバックにも挑戦するなど、新境地を見せる。再注目される宮市を直撃。現在の取り組みや、アーセナルの後輩で同じくケガに苦しむ日本代表DF冨安健洋(26)への思いなどを明かした。
――2月19日に行われたアジアチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の上海海港(中国)戦では、チーム内で体調不良者が出たこともあり、サイドバックで起用された
宮市 新しいポジションで新たな発見もあったし、楽しんでやれたと思う。もう前のことなので、気にしていない。
――今後も同ポジションでの起用について、スティーブ・ホーランド監督からは
宮市 そこはチーム状況によって変わってくると思う。僕はどこでも出られるように準備していきたい。自分にできることを精一杯やっているつもりではいる。
――2022年7月の東アジアE―1選手権では約10年ぶりに日本代表へ招集された。新たなポジションも経験し、代表に対する現在の思いは
宮市 もう代表とは程遠い位置になってきているので。それよりも、まずはチーム(横浜M)で何ができるのか、ということだと思う。
――ACLEで横浜Mは1次リーグを首位通過。4日に決勝トーナメント1回戦第1戦の上海海港戦(浦東)に臨む
宮市 ここからまた違った戦いになってくるので。リーグステージが1位だったとかそういうことは忘れて、目の前の1試合に全てをかけていきたい。
――ACLEやJ1で過密日程が続いているが、どのようなケアを心がけているのか
宮市 リカバリーを含めて、食事もそうだし、そういったところで気を使っている。
――これまで左右のヒザを合わせて3度の前十字靭帯断裂を経験するなど、ケガに苦しめられてきた。どのように乗り越えてきたのか
宮市 すぐに乗り越えられるものではないと思う。「なんでケガをしてしまったんだ」とか「こんなはずじゃなかったのに」という思いは出てくるけど、ケガをしてしまったのは仕方ないので。しっかり受け入れて、やれることを毎日やっていくことしかない。
――直近では昨年9月の京都戦で右ふくらはぎ肉離れによる離脱もあったが、ケガ予防のために新たな取り組みは
宮市 心技体、全てのところで毎日準備はしている。本当にやれることを日々やることが一番の予防だと思う。以前ケガをしてからは、そんなにしてないので続けていきたい。手術をしているので昔のようにはいかないけど、それなりにプレーができる体ではある。
――古巣の〝後輩〟である冨安は2月に右ヒザの手術を受けるなど負傷に苦しんでいる。どのような気持ちの切り替えが必要になるか
宮市 ケガをしている現実は変えられないし、まずはそれを受け入れて治すことが先決なので。焦る気持ちはあると思うけど、ケガという現状を受け止めて、それを一歩一歩克服していけば、また彼の素晴らしいプレーが見られると思う。
☆みやいち・りょう 1992年12月14日生まれ。愛知県名古屋市出身。中京大中京高から世界屈指の名門アーセナルに5年契約で入団。武者修行でオランダの強豪フェイエノールトに期限付き移籍すると、2011年2月のフィテッセ戦に出場して18歳1か月23日での欧州主要リーグ日本人最年少デビュー記録を樹立した。その後はイングランド、オランダ、ドイツでプレーし、21年7月に横浜Mへ入団して日本に凱旋。ひざの前十字じん帯断裂を3度も経験するなど負傷に悩まされながら、そのたびに不屈の闘志で復活してきた。181センチ、77キロ。















