170センチのサイズと卓越したルックスで「大型ビジュアルファイター」として、全日本女子プロレスデビュー当時から人気を集め「ザ・ファイナリスト」と呼ばれていたのが西尾美香だ。

OZではヒールの道を極めた。左から西尾、ダイナマイト関西、尾崎魔弓、永島千佳世、カルロス天野
OZではヒールの道を極めた。左から西尾、ダイナマイト関西、尾崎魔弓、永島千佳世、カルロス天野

 学生時代からレスリングや水泳などに熱中して新人では抜群の基礎体力を誇っていた。2000年に全女入門。同年9月30日後楽園の寺下ちゑ戦でデビュー。わずか5か月後には新人王決定戦を制した。01年5月には引退した脇澤美穂の代わりにアイドルユニット「キッスの世界」のメンバーに抜てきされる。

 02年9月には全日本ジュニア王座決定リーグ戦を制して初戴冠。タイガースープレックスやオリジナルバスター「ロカ」を武器に快進撃を開始。10月には90年代に長谷川咲恵が変身した覆面戦士「ブリザードYuki」の2代目も継承した。03年3月に全日本タッグ王座を獲得するも5月に退団。アルシオンを経て04年には堀田祐美子率いるAtoZに移籍する。

 同年7月には空位となっていたオールパシフィック王座を獲得。06年2月には尾崎魔弓率いるOZアカデミーに参戦するも、4月のOZ入団を懸けた試合で豊田真奈美の場外弾で第12胸椎と第1腰椎を脱臼骨折の重傷を負い、選手活動停止に追い込まれる。しかし、ここからがたくましかった。かねてヒール志向が強かったこともあり、負傷箇所にボルトを入れたまま「悪のマネジャー」として尾崎のサポートに徹して、ムチを振り回し敵軍の脅威となった。

 16年2月には、4年前にノアのマイバッハ谷口(現・谷口周平)と結婚していたことを発表。3月30日後楽園では特別タッグマッチで谷口のマネジャーとして引退記念試合を行い、最後の試合で履いていたリングシューズを着用して引退試合に臨んだ。その後は子宝にも恵まれ、時々、口ゲンカで半年も口をきかないという気の強さを持っているようだが、とにかく夫を陰から支えている。究極のアイドルから極悪ヒールまでをこなす、実力を備えた器用なアイドルレスラーだった。