【山口敏太郎オカルト評論家のUMA図鑑#553】各国には、数多くの伝説上の生物が語られ描かれている。それらの多くは近代での目撃情報などがなく、神話や伝承の中だけで語られる存在にとどまることがままある。しかし、そのような生物が現代にも現れたと話題になるケースは珍しくないのも事実だ。

 2021年4月、とある動画が米国のネット掲示板「レディット」に投稿された。映像は中米コスタリカのある家庭用防犯カメラによって撮られたものであるという。薄暗い道路脇を映していると思われるその映像では、2頭の犬がけたたましく吠え続ける中、奇妙な動きで移動する四足歩行とおぼしき生物が現れるのだ。

 始めは画面中央奥から右側へ移動し、その後右から手前に向かって、大きく体を横に揺らしながら歩き去ってしまう。動画の投稿者によると、当人は米国在住のコスタリカ人であり、現地の知人からこの動画が送られ、現地で話題になっていることを知ったという。そこでその人物は多くの意見が欲しいと考え、ネット上にアップしたのだそうだ。また、現地ではこの他にも目撃者が何人もいるとのことである。

 この存在については、コスタリカに伝わる「ラ・モナ」ではないかという説があげられており、動画サイトに投稿された際も「コスタリカのラ・モナ」とのタイトルが付けられている。ラ・モナとは、猿(のような生き物)に変身した魔女であり、夜に人々を追い回すといわれ恐れられている存在である。

 伝承によれば、先住民の祈りによって皮膚を脱ぎ捨て髪を伸ばし、そして手足を長くして大きな猿に似た姿に変身した魔女で、木々の間を高速で移動するといわれている。また、ラ・モナが笑い声や叫び声を発すると、耳にした人間は恐怖のあまり言葉を失い、意識がもうろうとしてしまうのだという。

 しかしながら、そうした伝承の怪物を正体とする説に懐疑的な人々からの反論も当然ながらある。その中には、世界最大のトカゲであるコモドドラゴンではないかとの指摘もあるが、コスタリカに生息しているのはイグアナであり、コモドドラゴンは生息していないのでこの説は考えにくいと言えるだろう。

 より現実的な意見では、酔っているか、あるいは薬物中毒などといったなんらかの事情がある人間が、このように奇妙な姿勢で歩いているにすぎないという声もある。現に、UMAには人間がかぶり物などをして奇妙な怪人や生物に扮したものではないかと考えられる例が少なくはない。その中には、何らかの儀式を行っていた人間や犯罪者とされる者の可能性も唱えられている例がある。この映像に捉えられたラ・モナの正体が同様のケースであったとすれば、それはそれで恐怖である。

 余談であるが、この存在は日本で翻訳された際、その奇妙なアクションから連想されたのか「カニ人間」と呼ばれて紹介されている。「~男」「~人間」などと呼ばれるいわゆるヒューマノイド型UMAは数多いが、人間離れしたようなそのシルエットは「人間」と称するにはかなり不気味である。正体がひときわ気になるUMAの一つだ。

【参考動画】https://www.reddit.com/r/Ghosts/comments/mr4ak8/someone_caught_this_on_a_home_security_camera_in/