巨人の宮崎春季キャンプで新任の桑田真澄二軍監督(55)が独自の改革を推し進めている。選手と対話する場面も数多く見られ、これまでと同じように「伴走者」としての姿勢を貫き通しているだけかのようにも映る。しかし、その一方で、チーム内から「実は一番『鬼』なのは桑田さんかもしれない」との声も出ている。その理由とは――。
宮崎の地で数々の経験を積んできた老練家も初めての体験だった。5日は休養日だったが、第1クールが行われた4日まで毎日がまさかの雨模様…。大半の練習が屋内施設で行われる事態となり、桑田二軍監督も「長年やってますけど(4日連続の雨は)なかなか経験できないね」と思わず苦笑いを浮かべ「コーチ陣と知恵を出し合って、最低限の練習ができたんじゃないかなと思います」とまずまずの手応えを口にしていた。
昨季はファーム総監督を務めたが、今季から立場は大きく変わった。ただ、指導に対するスタンスは変わらない。一軍で指導した当時から「選手の伴走者」を自称し、親身に寄り添ってきた。第1クールでも選手と積極的に対話し、練習内容の意図について相互理解を深めていた。
そんな「選手ファースト」を重視し、温和な性格が印象的な桑田二軍監督ではあるが、チーム内からは“正反対の顔”の存在を指摘する声も上がっている。
「桑田さんはある意味『鬼』のような一面も持ち合わせている」としたチーム関係者は「アピールのための練習や無駄な練習を禁止し、選手の自主性を重んじたり、スパルタ指導を行わない桑田さんは一見すると『甘い』と思われがちですが、むしろ逆。選手を評価する基準は誰よりもシビアで、ある意味“超リアリスティック”な人だと思いますよ」と打ち明ける。
選手を評価する基準は指導者によってさまざまだ。練習中の姿勢や生活態度、実戦の結果などなど…。ただ、桑田二軍監督は自身の評価基準についてキッパリとこう言い切った。
「指導する立場から言うと『真面目で優等生の選手がいい』という感覚があるんでしょうけど、プロの世界は実力(がすべて)ですから。団体スポーツなのでチームの規則とかを守れるというのも大事ですけど、一番は実力をつけてほしい」
どれだけ人並み以上に練習しようが、どんなに性格がよかろうが、プロの世界では関係ない。特に今季からは一軍の戦力となり得る選手を育成し、送り込むことが大きな任務となる。そこに「情」など無用。桑田二軍監督が口にした「実力」とは結果以外の何物でもない。
また、ドラフト指名上位選手や注目の新戦力が「強化指定選手」として特別扱いを受けることについても「(強化指定制度は)あるべきだと思います。プロは平等ではないですからね。当然、機会とかも不平等でいいと個人的には思います。いいと思っているというか、そうあるべきだと思っています」とも断言。プロの世界はきれいごとだけでは片づけられない、シビアでリアルな環境であることを強調した。
自身も厳しい世界で22年間の現役生活を送ってきた。酸いも甘いも経験してきたからこそ、朗らかな表情の中には「鬼」のような厳しい一面も存在している。













