新日本プロレスの辻陽太(30)が、24日札幌大会で行われる上村優也(29)との「カベジェラ・コントラ・カベジェラ(敗者髪切り戦)」へ思いを明かした。「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)」と「Just 5 Guys(J5G)」のシングル5番勝負で実現する同期対決は、互いにリスクを背負うことで合意。トレードマークの長髪をかけることに込められた重大決意とは――。

 辻は1月4日東京ドーム大会で上村に敗北。5日後楽園大会でLIJとJ5Gによる団体戦の大将戦で雪辱を果たすと、「札幌で完全決着といこう。俺はこの髪をかけてやる」と提案した。上村もこれを受諾し、団体としては2018年1月東京ドーム大会の後藤洋央紀 vs 鈴木みのる以来、約6年ぶりの敗者髪切り戦実現が決定的となった。

 上村は切磋琢磨してきた同期のライバルで、本来ならば団体最高峰のIWGP世界ヘビー級王座(現王者は内藤哲也)をかけて戦いたい相手。だからこそ、中途半端な気持ちでカベジェラ戦を提案したわけではない。「俺にとって髪は、辻陽太であるアイデンティティーの一つ。譲れないですね。レスラーになる時から、ロン毛にすると決めていたので。好きなレスラーも(エル)テリブレでしたし、見た目だけで会場の雰囲気を変えられるレスラーになりたいと思っていました」と、重大なリスクだと強調した。

ジーンブラスターで上村優也(右)を仕留めた辻陽太
ジーンブラスターで上村優也(右)を仕留めた辻陽太

 こだわりの長髪は、一度の手入れで3万5000円以上もかかる。上村の髪も同等の長さだが「おそらく染めただけで、何もしてないですよね。だから結んでるんだろうなと。ロン毛はなびかせてなんぼだろう。何のために伸ばしてるんだ」とアピールした。

 負けられない理由は他にもある。新日本で実に12年にもわたりトップに君臨したオカダ・カズチカが1月末で退団した。辻は「本人が言っていたように、これは団体にとってのピンチなわけで。そこをいかに俺の力でファンに希望を持たせられるかってことだと思うんです」とキッパリ。

 すでに同じ新世代の海野翔太が新エース襲名を宣言しているが「俺からしたら、彼はどこを目指しているんだろうと。レフェリーの目の前で相手を机の上に叩きつけて、階段から蹴り落とすなんてそんなひどいこと、H.O.Tでもしないし、一度父親の顔が見てみたいですよ。そんな〝スネかじり一番星希望〟に新日本は託せない…と、いうことは俺しかいないんです」と使命感に燃えている。

「ここで負けて髪を失うことがあったら〝ジーンブラスト〟辻陽太は死にます。それはすなわち新日本プロレスも死ぬということになるので」と必勝の十字架を背負った辻。新時代の中心を争う戦いが、一気に激化してきた。