一体どこで着地点を見いだすのか。ロッテ・佐々木朗希投手(22)を巡る騒動が混迷の一途をたどっている。25日発売の週刊文春が佐々木朗について「日本プロ野球選手会」から脱退していたことを報道。ポスティングシステムを利用する形で今オフのMLB移籍を水面下で強硬に訴えていたことも昨年末に一部で報じられ、ロッテ側とは“確執”まで生じているとの指摘も飛び交っており、実際に契約未更改の状況が続いている。舞台裏の深層を追った――。

朗希の雄姿がメジャーで見られる日は…
朗希の雄姿がメジャーで見られる日は…

“令和の怪物”の周辺が何やらキナ臭くなってきた。関係者の話を総合すると佐々木朗は昨季開幕前に選手会側に自ら脱会の意思を伝え、了承されたという。選手会への加入はあくまでも任意ではあるものの、同会の公式サイトには「日本プロ野球選手会は、日本のプロ野球12球団に所属する日本人選手全て(一部の外国人選手を含む)が会員となっている団体」と記載されている。それだけに佐々木の脱会は「極めて異常なケース」(球界関係者)と言わざるを得ない。

 2022年4月10日のオリックス戦で史上最年少(当時20歳5か月)となる完全試合の大偉業を成し遂げたとはいえ、今季でプロ5年目を迎える佐々木朗はまだ22歳。選手会の中から「世の中にも強い影響力を持つ若い人気選手がこうも簡単に脱会してしまうと、今後にあしき前例を残すことになってしまう。“個人プレー”を身勝手に貫く佐々木は本当にとんでもないことをしてくれた」と批判の声が向けられているのも当然の話だ。

 ただ、佐々木朗の選手会脱会にはさらに根深い難題が潜んでいる。本人が切望し続けている早期のMLB移籍だ。メジャー関係者の間でも昨季終了後、佐々木朗がポスティングシステムを用いて今オフのMLB移籍をロッテ側に要望したとの情報がすでに拡散しており「明るみに出た選手会脱会とも、まず間違いなくリンクしている」と邪推する見方が強い。

 そのうちのメジャー関係者の1人は声をひそめながら次のように打ち明ける。
「ロッテの看板選手となっているはずの佐々木がいまだ契約更改を終えていないのは、本来ならば日本球界を揺るがす大問題であることは明白。こうした背景と照らし合わせてみてもポスティング移籍を巡って、佐々木がロッテ側とモメまくっているのは誰が見ても否定できない。佐々木側には大手広告代理店の有力者X氏を中心に数人の人物が『チームロウキ』と陰でささやかれる“バックアップ部隊”を結成し、早ければ来オフのMLB移籍を実現できるように本人へアドバイスを送っているとの情報もある。つまり選手会脱会も『チームロウキ』側の指南によるものではないか。“25歳ルール(注)”を無視してMLB移籍に強行に踏み切れば、味方になるはずの選手会からも反発を食らう恐れがあることを懸念したからこそ佐々木に“脱会の勧め”を説いた可能性もある」

 いずれにせよ、身内のロッテ内部や球団OBたちからも佐々木朗に対してはブーイングが出始めているようだ。

 実際にロッテOBで本紙評論家の得津高宏氏も「朗希が類いまれな能力を持つスーパースター候補であることは誰もが認めている。でも彼は1年間、先発ローテーションを守り続けたことが一度もない。ましてやリーグ優勝に導くなど『フォア・ザ・チーム』にのっとった功績も果たせていない。メジャーに行くならば、周囲を納得させるだけの材料がないと同意は得られないのは当然の話です。これだけお世話になっているロッテとギクシャクしてどうするんですか」と不快感をあらわにしている。

 そして得津氏は「真相は分かりませんが」と前置きしながらも「朗希の周りにいるとウワサされている“陰の大人たち”が、もうちょっと空気を読んでいい助言を与えるべきですよ。このままでは彼がヒールになってしまいます」と警鐘を鳴らすことも忘れなかった。

 下手をすれば、日米の両球界を揺るがす危険性もはらむ“佐々木騒動”。その行方が注目される。 

【ほとんどの選手が加入】日本プロ野球選手会ホームページに掲載されている2023年名簿によると加入していないのはメジャーから復帰した選手などごく一部だ。ヤクルトの青木、オリックスの平野、ロッテの澤村らの名前はない。また、一昨年、メジャー移籍を目指したロッテ・石川、昨年12月にドジャースに移籍した山本も外れている。ただ、田中将は楽天に復帰した21年に再加入しており、判断は個人で分かれるようだ。

注…MLBと大リーグ選手会が結んだ労使協定で、25歳以下の海外選手はマイナー契約しか結べず(メジャーでのプレーは可能)、契約額で決まる譲渡金が高額にならないため、NPB球団にメリットはほぼない。