元大関が、再び苦難に直面している。大相撲初場所9日目(22日、東京・両国国技館)、1敗で優勝争いの首位に並んでいた幕内朝乃山(29=高砂)が日本相撲協会に「右足関節捻挫、全治2週間を要する見込み」との診断書を提出し、休場した。初黒星を喫した8日目の相撲で負傷。取組直後は「大丈夫です」と気丈に語っていたが、戦線離脱を余儀なくされた。

阿武咲戦で朝乃山は「不戦敗」に
阿武咲戦で朝乃山は「不戦敗」に

 師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)は「足首が腫れていた。1日、2日休ませて、良くなれば出したい。本人も出たいと思っている」と再出場に含みを持たせながらも「無理をするとケガをする」と復帰のリスクを懸念した。角界屈指の人気力士も、3月で30歳。昨年後半から左肩、左ふくらはぎ、そして今回の右足首と故障が相次ぎ、なかなか15日間を皆勤できない状況が続いている。

 その朝乃山について、角界内で改めて指摘されているのが〝失われた1年〟の影響だ。2021年5月にコロナ感染対策の違反行為(不要不急の外出)が発覚。6場所出場停止の懲戒処分を受けた。親方衆の一人は「当時の状況からすれば仕方がないが…。他の人は3場所程度。やはり、朝乃山の1年間は長すぎた」と顔を曇らせた。

中日の対戦で、玉鷲(左)に豪快に投げられた朝乃山
中日の対戦で、玉鷲(左)に豪快に投げられた朝乃山

 朝乃山の場合は相撲協会に対する虚偽報告や看板力士の立場が問題視されたとはいえ、同様の違反行為があった阿炎(錣山)や竜電(高田川)の3場所出場停止に比べても処分の重さは突出。厳罰によるブランクの影響は、今も暗い影を落とし続けている。そして、新たな1年の始まりに再び訪れた試練…。元大関は逆境を乗り越えることができるのか。