2024年は災難の1年となってしまうのか。今年は1日に能登半島地震が発生すれば、2日には羽田空港で航空機同士の衝突、3日にJR山手線内で女が刃物を振り回し、そのほかに各地で火災も起きている。防災アナリストで、日本民間防衛連合会の金子富夫代表理事が災難続きのなかで生き残る術を説いた。

「昔からことわざで怖いものに『地震、雷、火事、オヤジ』と言われてきたが、『地震』が能登半島で起き、『雷』は羽田空港事故、『火事』は輪島朝市や北九州市の鳥町食道街、新宿ビル火災、さらには田中角栄元首相の旧邸宅も全焼した。田中真紀子氏が線香を消し忘れたというが、『オヤジ』(角栄氏)が火災の怖さを教えてくれた」と、金子氏は年初から続く災難に江戸時代のことわざを思い出したという。

 かねて首都直下地震や南海トラフ地震、富士山噴火の自然災害、ちょっとした不注意から起きる火災、ガス爆発などの危険を訴えている金子氏は、「人は毎日の生活で異変が起きることは意識していない。災害発生時に正常性バイアス(安全・安心の状態)が働き、逃げ遅れたり、対応が鈍くなったりする。日本という国は平和が長く続いていることで危機意識や観念が欠如している」と、日本特有ともいえる“平和ボケ”に陥っていることに改めて警鐘を鳴らした。

 そのうえで、地震や津波、火災に対して日ごろから対策することの重要性を訴える。

「今回の地震を見ても、いくら防災訓練しても非常品すら持ち出せていない。玄関先に置いて、目の届くところに置くこと。改めて背の高いタンスや家具が倒れないように補強の見直し、避難経路を確認する。また線香1本でも燃え尽きるだろうと思って、放置していたら何か可燃物が倒れて、火がつくこともある。火の回りは特に警戒し、消火器の設置や、使い終わったペットボトルに水を入れて置いておけば初期消火にも使えて便利です」(同)

 生き埋めや火事に見舞われた時は救急隊もいつ来るか分からない。近所の人の助けが必要となるが、隣に住んでいる人の顔も名前も知らない時代だ。

 金子氏は「即座の助け合いは地域社会しかない。近所付き合いは嫌かもしれないが、菓子折りの一つをもって、あいさつぐらいしないと助け合いもない。どこか旅行に行った時のおみやげでも持っていけばきっかけはつくれる」と説いた。