王道マットが闘魂に染まった。全日本プロレスの3冠ヘビー級選手権(31日、東京・国立代々木競技場第二体育館)は、王者の中嶋勝彦(35)が宮原健斗(34)を退け、初防衛に成功した。
混迷の王道マットを象徴するかのような結末だった。25分51秒の激闘を制した王者は、赤い闘魂タオルを首にかけてリングに中央に陣取った。そして「今夜だけ許してほしい」と切り出し、観衆とともに「みんな歯を食いしばれ! 1、2、3、ダーッ!」で2023年の全日本を締めくくった。
「闘魂スタイル」を掲げる王者は、ボクシング元世界ヘビー級王者モハメド・アリがアントニオ猪木に贈った「アリ・ボンバイエ」の入場テーマ曲に乗って登場。金髪の丸刈りヘアにイメチェンし、白のガウンには「闘魂STYLE」の文字が入っている。〝過激な仕掛け人〟こと新間寿氏も入場をともにし、セコンドに就いた。
会場が大「健斗コール」に包まれる中、中嶋は尻もちをついたままキックを放つ、通称「アリキック」で先制。だが、宮原のビッグブーツで場外まで吹っ飛ばされると、強烈な頭突きから、鉄柵めがけて投げ飛ばされた。
王者も負けていない。場外戦での蹴りで主導権を奪い返すと、サッカーボール、延髄斬り、STFで挑戦者を追い詰める。15分過ぎにはワキ固めで宮原の右腕を破壊し、キックの雨アラレでたたみ掛けた。
挑戦者もブラックアウトで猛反撃してくるが、シャットダウンスープレックスホールドだけは阻止。カウンターの右ハイキックでグラつかせると、ノーザンライトボムからの腕固めに移行。そのままギブアップを奪った。
健介オフィス、ダイヤモンドリング時代は同じ釜の飯を食った2人だが、中嶋はノア、宮原は全日本と別々の道を歩んだ。運命の再会を果たしたのは今年2月の武藤敬司引退興行。7月にはノアマットで約10年半ぶりのシングルが実現し、中嶋が勝利を収めていた。これで2連勝。
「最強で最高のチャレンジャーだったよ。でも、こっちが本物だ。新間さんから伝承していただいた闘魂、俺は闘魂スタイルとしてこれからも伝承していく」と予告した外敵王者が、24年の王道マットを真っ赤に染める。













