完全復活の兆しあり――。富士山女子駅伝(30日、富士山本宮浅間大社前~富士総合運動公園陸上競技場、7区間43・4キロ)に出場する拓大が4日、同大文京キャンパスで壮行会を開催。ケガなどで実戦から1年以上離れている不破聖衣来(3年)もエントリーされる方針だ。五十嵐利治監督はまな弟子の回復にお墨付きを与え、本人も2024年パリ五輪1万メートル代表入りに意欲をのぞかせた。

 新たな一歩を踏み出す不破の表情は、充実感であふれていた。8月に下半身の故障が判明し、治療と体づくりに注力していたが、11月からジョグやペース走などの練習を再開。「順調に回復しているかな。今は(復帰してから)1か月ぐらい練習を積んでいる感じです」と近況を報告した。

 大学1年時の全日本大学女子駅伝5区で区間新記録を樹立すると、1万メートルでは30分45秒21(日本歴代3位)の好タイムをマーク。その後は思うように走れない日々が続いたものの、その間に自身の体の状態を基礎から見つめ直した。まだ発展途上とはいえ、体の状態は回復傾向にある。不破は「まずは富士山女子駅伝に向けて、合わせていきたいなと考えています」とし、区間配置については「自分的には長い距離の方がいいなと思っています」と笑顔を見せた。

拓大文京キャンパスで壮行会を開催した
拓大文京キャンパスで壮行会を開催した

 そんな不破が掲げる個人での最大目標は、2024年パリ五輪への出場だ。かねて28年ロサンゼルス五輪のマラソンでメダルを狙う上で、パリ五輪は1万メートルで経験したいとの考えを抱いていた。「12月の日本選手権には出られないが、記録を狙うチャンスはたくさんある。そこで五輪に選ばれるような記録を残したい」と抱負を語った。

 現時点では24年2月にスペインで行われる10キロのロードレースに出走予定。世界陸連の規定により、ロードのタイムがトラックにも適用されることから、ロードレースで参加標準記録(30分40秒)の突破を目指す。不破は「トラックをぐるぐる回るより、いろんなところを見られるロードの方がいいかな。厚底(シューズ)が使えるし、調子がいい時はしっくりくるので」とうなずいた。

 不破を指導する五十嵐利治監督は「まあ、ゆっくりやっていけたら」と慎重な姿勢を示しつつも「順調だと思う。富士山の出走も考えてやってきた。他の選手も含めて直前にならないとわからないけど、2月に向けた通過点にもなると思う」と回復ぶりを実感している。

 走れない時期を経験したことで、不破の心境も変化。「走れている時間がより楽しくなった。支えてくれる方たちに結果で恩返ししたい」と改めて周囲に対する感謝の思いが芽生えている。焦らずに自らのペースで歩みを進めていく構えだ。