【赤ペン! 赤坂英一】今年のドラフトで高校通算62本塁打を誇った“広陵のボンズ”こと真鍋慧内野手(18=3年)の「順位縛り」と「指名漏れ」が波紋を広げた。

 真鍋が事前に「指名が4位以下なら進学して4年後にドラ1を目指す」と表明したところ、どこの球団からも3位までに指名されず、大商大を受験することになった。
 この事態について某セ・リーグ球団のスカウトは「十分に予想できたことです」とし、こう指摘する。

「真鍋の長打力は大きな魅力だけど、守備と走塁が大きな難点。彼は一塁しか守れないが、どこの球団も一塁には主力打者がいる。外野をやらせるにしても、あの走力では一人前になるまでに時間がかかるだろう。将来性を見込んだ下位指名ならばともかく、現時点では3位指名に見合うほどの選手ではありませんよ」

 実は、この評価は、先に米国の大学留学を決断した花巻東・佐々木麟太郎内野手(18=3年)にも当てはまる。高校球界最高といわれる140本塁打を記録し、プロ志望なら1位指名の重複は確実と見られた。が、その一方でこう断言するスカウトもいたのだ。

「ウチは指名しません。140本塁打は確かに大記録だけど、ほとんどは大したことない投手から打っている。それに太り過ぎ(公称113キロ)で守れるのは一塁だけ。麟太郎をプロに行かせたいなら、監督の父親(佐々木洋)が1年時から外野も守らせるべきだった」

 プロ入りを回避した佐々木は、ある意味、真鍋よりも実際の評価と自分の市場価値を冷静に認識していたともいえる。

 それでなくても、最近はプロで伸び悩むドラ1の高卒野手が多い。日本ハム・清宮、広島・中村奨、巨人・オコエ、ロッテ・平沢、投手に転向した中日・根尾など。広島・小園、ロッテ・安田、藤原も中心選手になっているとはまだ言えない。

 高卒野手の平均レベルが高いとは言えない上、今季はセ、パともに2位以下が10ゲーム以上の大差をつけられた。どの球団も即戦力を取りたい状況で、真鍋サイドが順位縛りに出たことが間違いだったように思う。

 過去には、順位縛りが成功した例もある。今季のセ最優秀中継ぎ投手、広島・島内は2018年のドラフト前、3位以上でなければ九共大から社会人へ行くと宣言し、広島から2位指名を勝ち取った。

 また、同じ広島の抑え・栗林はやはり18年、3位以下なら名城大からトヨタへ行くと表明して指名漏れ。2年後に晴れてドラ1で広島入りした。

 さて、真鍋の4年後はどうなるだろうか。