名将による指導の〝極意〟とは? 高校サッカー界から異例の転身で注目を集めたJ2町田の黒田剛監督(53)が、就任1年目でクラブ史上初となるJ1昇格の快挙を果たした。

 町田は22日の明治安田生命J2リーグ熊本戦(えがおS)で3―0と快勝。悲願のJ1昇格を決めた試合後、黒田監督は目に涙を浮かべながら「日々、不安との背中合わせで毎晩寝られない日が続いた」。青森山田高からJリーグの指導者に転身した苦難の道のりを振り返った。Jリーグで革命を起こした黒田サッカーの神髄は、青森山田高での28年間をベースにした独特の指導法にある。

 今季限りでの引退を発表している元日本代表DF太田宏介は、黒田流の指導について「めっちゃ面白い。今までいろんな監督とやってきたけど、また新しいサッカーを学べている」と力説する。例えば「キャプテンを決める時も〝総選挙〟みたいにやる。1人2票で理由を付けて(投票用紙に)書いて投票箱に入れる」。選手がお互いについて深く理解し合い、チームの団結力を高めている。

 また、太田は「サッカーのことだけじゃなくてプライベートのことも、くだけたことも話をしてくれる。距離感が近くていいなと思う」。自身に第2子が誕生した当時を振り返り「名前をどうしようかという時、黒田さんから息子さんの名前の由来や込められた思いとかを聞いて、心温まるというか…。それで僕も素晴らしい名前を付けられた」と明かした。指揮官は選手とまるで〝親子〟のような関係を築けているのだ。

 独自の指導で成功した黒田監督は、J1でも旋風を巻き起こせるか。