コメディー番組「てなもんや三度笠」での「〇〇してチョーダイ!」「キビシ~イ!」などのセリフや、買い取りピアノCMで知られる俳優の財津一郎さんが慢性心不全のため亡くなっていたことが19日、分かった。89歳。葬儀・告別式は19日に近親者で行った。

渥美清さん贈呈の幕でニッコリ(71年7月)
渥美清さん贈呈の幕でニッコリ(71年7月)
東宝の稽古場で舞台の共演者と。後列中央が財津さん、その右が由美かおる。前列は左から津坂匡章(秋野太作)、堺正章(73年12月)
東宝の稽古場で舞台の共演者と。後列中央が財津さん、その右が由美かおる。前列は左から津坂匡章(秋野太作)、堺正章(73年12月)

 財津さんは熊本県生まれ。高校卒業後に帝劇ミュージカルの研究生となり、オペレッタ「赤い絨毯」で初舞台。62年に吉本興業に入り、2年後に吉本新喜劇に参加。66年の「てなもんや三度笠」でブレークした。

 その後「喜劇・度胸一番」「お葬式」など数々の映画にも出演。2011年3月に放送された「3年B組金八先生ファイナル」に出演して以降、実質的に芸能活動を休止していた。

 そんな財津さんは、CMキャラクターとしてもお茶の間に愛された。特に「ピアノ売ってちょうだ~い!」のセリフで知られる、中古ピアノ買い取り業者「タケモトピアノ」のCMは20年以上にわたって放送。ただ、財津さん本人はうれしくもありながら、ちょっぴり複雑な心境を明かしていたという。

 芸能プロスタッフは、財津さんの孫で、俳優の財津優太郎(24)にまつわるこんなエピソードを明かす。

「孫を溺愛し、優太郎が俳優の道を選んだことも喜んでいた。ただ、CMの印象があまりに強く、優太郎さんはずっとあだ名が『ピアノ』で、学生時代は友達からCMのまねをさせられたりして悩んだこともあったとか。財津さんは長くCMが愛されたことを喜びながらも、孫には申し訳ない気持ちを明かしていた」

 そんな優太郎はこの日、X(旧ツイッター)に「10月14日に祖父、財津一郎が永眠いたしました。葬儀は近親者のみにて本日執り行いましたことをご報告申し上げます」と投稿。「いつもかっこよく、力強く、面白い自慢の祖父でした。祖父は生前『役者は役を演じてはならない。役の人生を生きなければならない。』と言っていました。その言葉を胸に、祖父のような見た人の記憶に残る俳優になれるよう精進してまいります」と伝えた。

笑顔がファンを魅了した(73年7月)
笑顔がファンを魅了した(73年7月)

 孫の演技を誰よりも楽しみに見ていたという財津さん。きっと天国でも孫の成長を見守っているはずだ。