有言実行のレース運びだったが…。2024年パリ五輪代表選考会となるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC=15日、国立競技場発着)、男子はベテランの川内優輝(36=あいおいニッセイ同和損保)が攻めのレースを披露。4位に終わったものの、己の全てを出し切った。

 悪天候でも動じなかった。「天気予報を見たときに『お、いいじゃん!』と思った。がぜんモチベーションは上がっている」。スタート前から大粒の雨が降りしきる中にもかかわらず、最初の15キロを44分44秒で通過。日本記録保持者の鈴木健吾(富士通)、23年世界選手権代表の其田健也(JR東日本)が棄権を余儀なくされるも、川内は安定したパフォーマンスを見せ、中間地点の段階で後続を30秒近く引き離した。

 後半も懸命に戦い抜いた。男子マラソン界にも続々と若手選手が登場。年齢では太刀打ちできない一方、川内は誰よりもレースを踏んできたという自負がある。「過去129度のフルマラソンの経験を生かして走りたい」。その言葉通り、35キロ過ぎまでトップを死守するなど、経験をフルに生かしたレース展開を披露。最後は競り負けたが、必死に食らいついた。

 13日の記者会見では「記憶に残るレースをします」と語っていた川内。記録に残らずとも、記憶に残る走りだった。