スポーツ界もジャニーズに〝NO〟だ。陸上短距離の元日本代表で多くの有名アスリートを指導する杉本龍勇法政大教授(52)が取材に応じ、ジャニーズ事務所の性加害問題について見解を示した。これまでキャスターなどスポーツの現場にジャニーズ事務所の所属タレントが関わるケースも多かったが、2024年パリ五輪での起用見送りなど〝脱ジャニーズ〟の必要性を説いた。
杉本氏はオリンピアン、そしてスポーツ経済学の専門家という立場から、まず近年のスポーツ界がタレントに依存してきた実態を問題視する。
「バレーボール、ラグビーもそうだけど、芸能人と組んでプロモーションをして注目度を上げるのは日本のスポーツの常とう手段だった。それを何年続けているのか。タレントのアンバサダーや、パリ五輪に向けてテーマ曲も決めていくと思うが、そういうものの力を借りずにスポーツ単体だけで、どう魅力を理解してもらうのか。ファンが増えるための施策を考えていかないといけない」
中でも、ジャニーズ事務所の所属タレントが、多くのスポーツの現場で起用されてきたのは周知の事実だ。杉本氏もジャニーズと仕事をともにした経験があり、そうした点を踏まえて事務所の問題をこう指摘する。
「周りの忖度がハンパない。びっくりする。みんなの持ち上げ方とか。タレント本人たちがいいとか悪いとかではなく、あんな環境に放り込まれたら、どんな人間だってのぼせ上がらないわけがない。プロデューサーから何からみんなが持ち上げる」
そうした状況もあり、中にはプロ意識が欠如したタレントも出てくる。具体例として、Aは「トレーニングの取材でスタートから終わりまで全部一緒にやります、きつくても全然構いませんと言いつつ、ウオーミングアップで離脱した」。また、Bは「走る企画だったが『朝まで酒を飲んでて、酒が抜けてません』と。それでタイムを上げてくれと言われても、無理だろうという話」という出来事も。A、Bはいずれも国民的グループのトップアイドルだ。
「なめているのかという話だが、それが通っちゃう。周りの取り巻きが甘やかす構図。前日に深酒しても、プロフェッショナル性が欠けても誰がとがめるわけでもない」と厳しく指摘した。そうした背景から、杉本氏はスポーツ界からの〝脱ジャニーズ〟、ひいてはタレント依存からの脱却を提言する。
これまで五輪などスポーツの国際大会では、テレビ局の中継番組でジャニーズのタレントが数多く起用されてきた。だが来夏のパリ五輪に向けて「またキャスターで入ってきて、ろくに勉強もしないで自分のイメージとか感情論とか、誰かが用意してきた資料だけを使ってコメントをするというのは…。ライト層へのきっかけになったとしても浸透はしないし、逆に従来のエキスパートのファンには全然届かない。スポーツ全体が自分たちの価値を高めるため、タレント依存のキャスティングをやめてもいいのでは」。
そして今回の性加害問題を契機に、スポーツ界もこれまでの〝あしき慣習〟を見直すべきだという。「今までの流れを断ち切って、本腰を入れて(スポーツの)価値を上げることをやらなきゃいけない。タレントが来ることによってスポーツを伝えるよりも、そっちに話題がいっちゃう。例えばラグビーだと『櫻井翔くんすごい興奮してたね、じゃあいい試合だったんだ』とか。そうじゃないでしょう」。ラグビーW杯を中継する日本テレビが櫻井を前面に出すのは、やはり疑問が残るというわけだ。
最後に杉本氏は重ねてこう訴えた。「コンサートなのかイベントなのかぼやけちゃうより、純粋にスポーツでやればいい」。スポーツ界は〝ジャニタレファースト〟から〝アスリートファースト〟への転換を図れるか。












