J1浦和サポーターの暴徒化問題でまさかの〝激甘処分〟が波紋を広げている。日本サッカー協会が8月31日、天皇杯4回戦の名古屋戦(同2日、CSアセット港サッカー場)で暴動を起こした浦和サポーターに対する処分を発表した。しかし、暴力など重大な違反行為を行った対象者への入場禁止が解除可能な「無期限」にとどまったことで、批判や再発を危惧する声が上がっている。
今回の騒動では浦和の敗退後に数十人規模のサポーターが暴動を起こし、立ち入り禁止エリアに侵入したり、暴力行為を働くなど〝暴徒化〟。警察官50人や救急車が出動する大騒動に発展した。
この日行われた臨時理事会では、まず違反行為を行ったサポーターに対する処分が決定。17人に対して無期限の入場禁止(日本国内で行われるすべての試合、協会主催試合に加え、Jリーグや各種連盟等が主催する試合を含む)、1人に対して5試合の入場禁止(協会が対象試合を指定)となった。協会は「複数の禁止行為が確認されたため」と説明し、フィールドへの侵入行為、暴力行為、迷惑危険行為、破壊行為、横断幕に係る問題行為があったと指摘した。
その後、浦和側が追加処分として国内外問わず浦和が出場するすべての試合で無期限入場禁止とすることを発表した。
協会の田嶋幸三会長は「17人に対する無期限の入場禁止は、極めて厳しい決定です」と強調した上で「違反行為を犯した者に罰則を与えたり、今回のような決定を下したりするだけでなく、われわれももう一度、襟を正してスタジアムの安全確保について真剣に考え、防止策を講じていきます」と再発防止を誓った。
だが、日本サッカー史に汚点を残す卑劣な愚行に対する処分としては〝甘すぎる〟との指摘が出ている。
在京Jクラブ関係者は「なぜ永久追放ではないのか。無期限というのは解除する前提の話だし、ほとぼりが冷めたら問題のサポーターはいつでもまた入場できる。たとえば日大なんか(アメフト部を)無期限(活動停止)と言っておきながら、たった5日で解除したでしょう」と処分の実効性を疑問視。入場禁止の一定期間が過ぎたら〝凶悪サポーター〟が再び来場する可能性を指摘して「これでは、また起きる」と暴動の再発を危惧した。
また、大手広告代理店関係者は「サッカー界が力を入れているライト層の開拓に影響が出るのでは。暴力的な問題が起きても軽い処分しかできないと(ファンに)受け取られれば、子供など家族を連れてスタジアムに行くことを避ける人も出てくる」と懸念。「サッカー=危険」というネガティブなイメージが広まれば、ファンやスポンサー離れにもつながりかねない。
協会は「当該クラブに対する懲罰(その有無も含む)は、本協会規律委員会の所管で審議決定する」としており、9月中旬に浦和への処分内容を決定する見込み。ここでも鉄槌をちゅうちょするようなことがあれば、日本サッカーは未曽有の危機に瀕しかねない。











