【元局アナ青池奈津子のメジャー通信】
「どのチームのプレーヤーミール(選手用の食事)が一番おいしい?」
今季、選手たちに聞いている質問の一つなのだが、あるチームが群を抜いていて、まったく勝負にならなかった。
「まるで5コース料理のようなおもてなし」
「すし、ステーキ、パスタ、ピザ、食べたいものが何でもある」
「ステーキとロブスターがおいしかった。ミートシェフがいて、その場で肉をそいでくれたり。他ではなかなか味わえない」
「5つ星レストラン」
「コーヒーでさえも他よりおいしい」
「ラテン料理、特にドミニカンフードがおいしい」
次々と絶賛評価を集めたのは「ヤンキースのビジタークラブハウス」。少なくとも80人くらいの選手には聞いたが、8割が同じ回答だった。
ホームのクラブハウスについては、2016年の労使協定で各チームが専任の調理師と栄養管理師を必ず雇うことが決まってから、多少の差はあれど、全体的にそれぞれのチームで用意されている食事に満足しているケースがほとんど。
しかも以前までは、遠征中の食事を遠征先のクラブハウスマネジャーなどが「選手が食べたいもの」を中心にケータリング発注していたが、自チーム管理になったため、ドジャースのようなビジタークラブハウスにキッチンがない場合でも栄養を考えた食事が食べられるようになったなど、食事レベルは格段に上がっているのだが…ヤンキースのビジター側だけは別格らしい。
「ホームより、ビジターの方がいい。あっち側のキッチンの大きさがハンパないんだ」とやや苦々しそうに言ったのは、ヤンキースのエース、ゲリット・コール。アーロン・ジャッジまでも「ああ、少しジェラシー。うちのチームが抱える、今後数年間で何とかしなきゃならない課題だね」。
エンゼルスのテイラー・ウォードは「FA選手たちを誘惑するためにやっているって噂を聞いたことがある。あくまでも噂だけどね。本当だと思う」となかば真顔で言っていた。
報道陣が中を見ることはできないが、そこはかのヤンキース。噂の真相はもとより、質の高さにおいて疑う余地はなさそうだ。
食事の話は興味深く、グルメな選手からまったく無頓着な選手、試合前にスムージーだけを飲む選手から、パスタ、ステーキと白米を好む選手まで多種多様だ。
その中で印象に残った話をしてくれたのは、ジョーダン・ライルス。ロイヤルズは彼にとって9球団目のチームになるが、一番心に残るスタジアムでの食事を聞くと「バーベキューナチョス、しかも3A球団の」と意外な答えが返ってきた。
「テネシー州メンフィスのカージナルスの3A球場(オートゾーン・パーク)。有名なBBQレストランがコンコースにベンダーを出していて、14ドルだか18ドルだったか、マイナーリーガーにはちょっと高めなんだけど、必ず食べていた」
今もある習慣かは分からないが、ジョーダンが3Aにいたころ、先発投手は先発の前日や先発の2日後など、普段着でスタンドに座り、球速チャートをつける仕事があったそうだ。「イニング間にバーベキューナチョスを買いに行くのが楽しみで仕方がなかった」と、ジョーダンが見せた笑顔がとてもあどけなく印象に残った。
そのナチョス、レストラン「ランデブー」のもの。チップスの上に炭焼きの豚肉、チーズ、ソースがたっぷり乗っていて、野球を見ながらビールとあわせて食べたらすごくおいしそうだ。













