【アナハイム19日(日本時間20日)発=青池奈津子】エンゼルスの大谷翔平投手(29)は19日(日本時間20日)に本拠地でのヤンキース戦に「2番・DH」で先発出場した。その注目の試合前、ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(31)が、エンゼルスを担当する日本人報道陣からの「大谷翔平投手についての質問だけに答える」という超異例の囲み取材が行われた。メジャーを代表する大砲は二刀流について本音を語り、衝撃の事実を明かした。

 ジャッジは6月7日に右足親指の靱帯断裂で負傷者リスト入りした。現在、リハビリ中だが今回の遠征ではチームに帯同。フリー打撃を再開するまで回復している。

 大谷は試合前の時点で35本塁打と、昨季ジャッジがマークした62本のア・リーグ記録に迫る勢いでアーチを量産している。その関連でジャッジに取材依頼が殺到したためか、ヤンキース広報が超異例の対応。試合前にベンチで、エンゼルスを取材している日本人報道陣がジャッジに大谷について聞くための場を設定したのだ。地元ニューヨークの記者らが見守る中、約7分間にわたってジャッジが大谷についての質問に答えた。

 チーム96試合時点で大谷は35発で、昨季のジャッジは36本塁打とほぼ同じペースだ。ジャッジは「(今季の大谷は)素晴らしい。見ていて楽しい。うちのチームと対戦している時はあまり(大谷のすごさを)見たくないけど、テレビをつけて8イニング投げ、10奪三振2本塁打などをやっている彼を見るのは楽しい。すごいと思う。ここまでもエキサイティングだったけど、僕らがこの街を出た後に何をするかを楽しみにしている」。

 記録が破られる可能性について質問が及ぶと「記録は破られるためにある。ただの記録だし、破られたら野球にとっては素晴らしいことだと思う。63本以上も打つんだから。どうなるか楽しみ」と笑顔を見せるとこう続けた。「自分も(野球人生が)まだ数年は残っているから、もし破られたら、また特別なことをする機会として挑戦するのみ」

 昨年、記録更新にあたり、61本目まであまり記録は意識しなかったが、62本に近づいて、先頭打者で打席に立つと球場が静まりかえっていて逆に衝撃だったという。

「ピッツバーグやボストンでの試合で、先頭で出て行って二塁打を打ったけど、ファンはまるで残念だと言わんばかりの反応だった。歴史が見たいのはわかるけどね。周りの雑音を消し去って、試合に集中するのが一番難しかった」

 同じ道を進んでいる大谷に「そこまで行くとあとは精神力との戦い。おそらくショウヘイも同じだと思う。本塁打100本打てる能力を持っていると思うが、そういう瞬間にいかに周りの雑音を消したり無視したりするのが大事だと思う」とアドバイスを送った。

 打者・大谷と投手・大谷では打者派だ。

「マウンドで5~6球種を使いこなし、長いイニングを投げる彼を見るのも楽しいけど、やはり彼を毎日見られることや右翼へ500フィート(約152・4メートル)飛ばしたり、内角のボールを中堅左方向へ飛ばすところはすごいし、彼のサイズで三塁打数でメジャーをリードしているのもすごい」

 実は、大谷の打撃フォームであるトータップ(爪先タッチ)に挑戦中だという。「自分はレッグリフト、大谷はトータップ。だけど、グラウンドに足がついてからは似たようなポジションに入ると思う」

 2年連続の勝負が期待されたが今季は戦線離脱中のためかなわない。「(大谷との)フレンドリーコンペティション(切磋琢磨し合える戦い)ができないのが寂しい」と本音を漏らした。試合に出られずに悔しい状況にもかかわらず、ライバル大谷について語ったジャッジ。まさにMLBのスーパースター。来季が楽しみだ。