〝ブランド崩壊〟だ。日本大学は8日、同大アメリカンフットボール部員が覚醒剤取締法違反と大麻取締法違反(いずれも所持)の疑いで逮捕された問題について都内で会見を開いた。大学トップの林真理子理事長(69)は謝罪したが、2018年の悪質タックル問題に続く不祥事によりアメフト部のイメージは完全に失墜。高校の強豪校では日大進学に二の足を踏む選手も出始めているという。相次ぐ〝醜聞〟には日大の現役学生も嘆き節。一連の騒動の舞台裏を徹底追跡した。
林理事長は会見の冒頭で「大変遺憾。理事長として深く受け止めるとともに、本学の学生、生徒、卒業生、保護者、関係者の方々に多大なご迷惑、ご心配をおかけしたこと、この問題に関して私どもが正式に説明させていただくのに時間を要したことを心から深くおわび申し上げます」と謝罪し、頭を下げた。
また、自身が2日に「違法な薬物が見つかったことは一切ない」と疑惑を強く否定していたことについては「私の発言は言葉足らずで、唐突だったと本当に反省しております」と釈明。大学が違法薬物らしきものを発見してから警察に連絡するまで12日間を要したことについては、「(大学の対応は)適切だった」「隠ぺいと言われることは非常に遺憾」と、問題がなかったと強調した。
いずれにせよ、今回の一連の騒動で日大と、その象徴的な存在でもあるアメフト部のイメージは完全に失墜した格好となった。「日大フェニックス」(チームの愛称)と言えば、アメフトの大学日本一を決める「甲子園ボウル」で優勝21回の実績を誇る超名門。それが5年前の「悪質タックル問題」でトップリーグからの転落を余儀なくされた。20年には再び「甲子園ボウル」出場を果たし完全復活への道のりを順調に歩んでいた矢先に起きた、特大の不祥事。その影響は名門入りを目指していた高校生たちにまで及んでいるという。
今回の薬物問題を受けて、あるアメフト関係者は「前回のタックル問題の時は、日大がアメフト部のスポーツ推薦(受け入れ)をやめている。だけど、今回はまだ(推薦を)クローズも、オープンもしていない中途半端な状況。(強豪高の選手の中には)日大に行きたい思いは強いけど、クスリの話が出てきて『進路を変更したい』という話が出てきている」と明かした。
せっかく立て直してきたブランドの〝崩壊〟に、現役日大生の一人は「〝不祥事慣れ〟しちゃっている。怒りすらわかない」とあきれるばかり。他大学の学生からは「またやらかしてるね。大丈夫?」との言葉を掛けられ、肩身の狭い思いをしているという。別の学生も「イメージも地に落ちている。いち早くはい上がってもらいたい。クリーンな大学になってほしい」と切実な願いを訴えた。
昨年7月の就任以来、日大の組織改革に取り組んできた林理事長は「はっきり申し上げて(スポーツ部門に対する)遠慮があった。就任して1年、スポーツのほうを後回しにしていたのは事実。これからは酒井(健夫)学長と一緒に改革の手をのばしていかなければいけないという気持ちでいっぱい」と変革への決意を口にしていたが…。今回の騒動で「日大」の看板が負ったダメージは計り知れない。












