横綱への課題とは? 日本相撲協会は26日、関脇豊昇龍(24=立浪)の大関昇進を正式に決定。豊昇龍は名古屋市内の部屋宿舎で行われた伝達式で「大関の名を汚さぬよう、気魄一閃(きはくいっせん)の精神で努力いたします」と口上を述べた。新大関は「どんなことがあっても、力強く立ち向かうという意味」と口上に込めた思いを説明。「ここで終わるわけじゃない。次(横綱)に向けて頑張りたい」と決意を新たにした。

 元大関琴奨菊の秀ノ山親方(39=本紙評論家)は「叔父さん(元横綱朝青龍)と同じ番付に上がる可能性は十分にある」と期待する一方で、名古屋場所では気になった点があったという。豊昇龍は10日目、過去10勝1敗と圧倒していた小結琴ノ若(佐渡ヶ嶽)に押し出されて完敗。実は、この結果には場所前から〝伏線〟があった。同親方は次のように指摘する。

「豊昇龍が場所前に(佐渡ヶ嶽部屋へ)稽古に来たんですよ。琴ノ若は豊昇龍が苦手だったんだけど、稽古で感覚がつかめて自信を持ったと言ってた。大関ともなれば、稽古場で相手に自信を持たせるような稽古をしてはいけない。逆に、相手が自信をなくすぐらいの強さを見せておかないといけないんですよね」

 場所前の稽古は単なる調整の場ではなく、本場所の〝前哨戦〟の側面がある。横綱や大関は稽古の段階から格下に隙を見せてはならないというのが、秀ノ山親方の考えだ。「横綱を目指すのであれば、普段の稽古から厳しくいかないと。朝青龍関、白鵬関、日馬富士関…。稽古場で簡単に負けることはなかったし、相手を打ちのめして心を折るぐらいの迫力で稽古していた」と力説した。

 その豊昇龍は、番付の頂点へ向けて「人より倍、稽古しないといけない」と意気込んでいる。今後は稽古の量だけでなく、その内容も問われることになりそうだ。