新型コロナウイルスのワクチンを巡って24日、東西で記者会見が行われた。大阪ではワクチン接種後に親族が亡くなった遺族が、東京ではワクチン接種による後遺症に悩む団体がそれぞれ国へ要望を訴えた。

 大阪府庁で会見したのは21年にワクチン接種後に死亡した河野俊弘さんの遺族ら。河野さんについて国による予防接種健康被害救済制度の申請が認められ、死亡一時金の支給が決まったと明かした。

 妻の明樹子さんによると21年9月に救済申請し、認定されたのは今年の7月14日だったという。「認定までかなりの時間がかかった」と話し、国には手続きの迅速化やワクチンのデメリットの周知を求めた。

 厚生労働省で会見したワクチンによる健康被害を訴える「患者の会」の関係者らは国に対して救済と実態把握を求めている。「申請が市区村町で受理され、国に届くまで時間がかかる」(同会)とスピード感を期待した。

 コロナワクチンを接種することで発熱などの副反応が出ることはよく知られており、さらに後遺症だけではなく死亡のリスクがあることも徐々に広まりつつある。現在、6回目のワクチン接種が進んでいるが、今では打たない人も多い。

 それでもワクチン接種にこだわり続けている人がゼロになったわけではない。40代男性は「私は持病があるので1回目のときから率先して接種してきました。もちろん6回目も春に打ちました」と話した。

 ワクチンは感染を100%予防するものではない。この男性は6回目を打った後にコロナに感染したという。発熱やせきの症状が出た。

「38度ほどだったので、そこまで高熱ではありませんでした。これもワクチンのおかげかなと思っています。死亡のリスクがあるのは承知ですが、重症化のリスクと比べた時に、持病のある自分にとっては重症化のリスクの方が高いと判断しています」(同)

 この男性は7回目も打つと断言。いまやワクチンを接種する人の方が珍しいが、それでも打ちたい事情があるようだ。